【写真・画像】「強くなって無双するのではなく、努力と根性で一生懸命がんばった人が報われていくお話」佐藤拓也・大西沙織『新米オッサン冒険者』インタビュー 1枚目
【映像】佐藤&大西が出演の『新米オッサン冒険者』特番
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 現在放送中のTVアニメ『新米オッサン冒険者、最強パーティに死ぬほど鍛えられて無敵になる。』は、過去に挫折した冒険者となる夢に30歳を過ぎてから挑戦するリック・グラディアートルが主人公となる痛快アクションコメディ。

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 伝説のパーティ「オリハルコン・フィスト」による死亡と蘇生を繰り返す壮絶な訓練によって、新米ながら他を圧倒する戦闘力を有したリックだったが、自身は周囲との能力の差に気づいていないというギャップが物語序盤で印象的に描かれる。

 そんな主人公・リックを演じる声優の佐藤拓也と、「オリハルコン・フィスト」のメンバーでリックをパーティに勧誘したリーネット・エルフェルトを演じる大西沙織にインタビューを実施。『新米オッサン冒険者』ならではの魅力と、個性的な両キャラを演じる上で、それぞれ意識したポイントについて、話を伺った。

――32歳のオッサンである主人公・リックの活躍が痛快でわかりやすいストーリーですが、佐藤さんと大西さんが原作を読まれたときに惹かれたポイントはどんなところでしょうか?

佐藤:タイトルにもある通りの幕開けとなった作品ですが、リックがものすごく強くなって無双するというお話ではなく、努力と根性で一生懸命がんばった人が報われていくお話なのだということが、ストレートに伝わってきました。努力が報われるということは、どの世代にとっても共通してすごく素敵なことだと思いますし、それが時代を経ても伝わっていくのではないかと感じられたことが1つの魅力だと思っています。

――第1話でも断片が描かれていましたが、実際にリックはあれだけの修行を2年間耐え抜いたのなら強くなるよね、という納得感もありました。

佐藤:死ぬほど努力するを超えて、死にながら努力する……そりゃあ強くなるよねって(笑)。そこで挫けなかったリックは純粋にすごいなと思います。

大西:原作を読ませていただいて、人それぞれで読むスピードには個人差がありますが、バトルシーンとギャグシーンのギャップやテンポ感が読んでいて気持ちの良いスピードで繰り広げられていく作品という印象が強かったです。その中で主人公のリック……私もリックと同年代なので、オッサンとか言われちゃうのは悲しいんですけど(笑)。

一同:(笑)

大西:こういう作品の主人公としては、32歳という年齢は珍しいということもあってわかりやすくオッサンという言葉を使っていると思うのですが、リックの派手すぎず良い意味で地味なキャラクター性が私的には好感度が高くて。対照的にリックを取り囲む登場人物は設定モリモリで派手な人々が多くて、そこも面白いですよね。

――ギャグ要素もバトル要素もある作品ですが、リックが周りの人々と比べて自分自身の強さに気づいていないという点がフックになっていますよね。

佐藤:正直なことを言ってしまうと、僕もオーディションの段階からこんなにも共感できる主人公はそうそういないなって思っていました。

大西:そうなんですね(笑)。

佐藤:大西さんのおっしゃる通り、いい意味で地味というか本当に普通の人なので。幼い頃に抱いた夢に向かって頑張ったけれど、一度挫折を味わってしまう。そんな彼が30歳から一念発起して死ぬほど修行をして……本当に死んじゃって生き返りつつですけれど、そうやって必死に強くなっていくお話ですよね。

――そんなリックを演じる上で意識された点は、どんなところなのでしょうか?

佐藤:ここでこうやってギャグに持っていこうということは、実は何も考えていないんです。確かにリックが自分自身の強さを自覚していないことと、実際の強さの落差がギャグとして組み込まれていると思うのですが、彼は修行中に自分ではどう頑張っても太刀打ちできない人たちと生活をしていたわけで、自分に当てはめてみるとそれはギャグではなくて事実になるんです。

 例えば「オリハルコン・フィスト」の先輩方が試験中にやって来たときも、リックはみんな殺されてしまうから逃げたほうがいいと本気で思っている。そんな彼と(「オリハルコン・フィスト」に気づいていない)周りの温度差が視聴者から見ると滑稽に見えるのですが、リックは本当にヤバいと思っているだけ。その気持ちが結果的にギャグになればいいなという気持ちで演じていました。

――たしかに、リックはギャグをやろうとしてやっているわけではないですからね。対してリーネットは冷静沈着で感情があらわにならないキャラクターです。

大西:リーネットは演じるのがすごく難しいキャラクターでした。私自身がわりとおしゃべりなこともあってか、第1話のアフレコ時から音響監督さんに「感情が出過ぎてしまっているので、抑揚を付けずに語尾を上げないように」というディレクションを受けていました。リーネットは冷たい人ではないですし感情も持っているのですが、(技術的に)語尾の音を上げて演じてしまうとすごく優しいニュアンスに聞こえてしまうんです。

 ずっとリックに対して優しさを向けているというわけではないというキャラクターなのだと感じたのですが、第1話でずっと感情の振り幅を持って喋り続けているリックの横にいて、私自身の気持ちとしては彼に優しい言葉をかけてあげたいけれど、それではリーネットとして不成立のお芝居になってしまうというもどかしさもあって。

――おそらくリーネット的には励ましというよりも、あれだけ修行して十分強いんだから大丈夫でしょうという事実をただ伝えているだけという感じですよね。

大西:そうですね。修行していた2年間が丸々描かれているわけではないですけれど、その期間でリックの成長を見てきたことによる信頼感はセリフにも乗せてあげたいと思いつつ。でも抑揚をあまり付けてはいけないという葛藤があったので、難しかったですね……!

 でもリーネットを演じる上で芯にあったこととして、リックにとって帰ってくる場所じゃないですけれど、いろいろな人と出会って戦っていくなかでも、リーネットといることによってホッと一息つけるような存在になれたらいいなと思っていました。

【写真・画像】「強くなって無双するのではなく、努力と根性で一生懸命がんばった人が報われていくお話」佐藤拓也・大西沙織『新米オッサン冒険者』インタビュー 2枚目
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 リックとリーネットはもちろん、「オリハルコン・フィスト」のメンバーやほかの冒険者たちと紡がれていく物語の行く末を、見逃さずにチェックしてほしい。

(C)岸馬きらく・ホビージャパン/2024新米オッサン冒険者製作委員会
アニメ公式HP:https://shinmaiossan-anime.com/
アニメ公式SNShttps://x.com/shinmaiossan
取材・写真・テキスト/kato

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