お盆直前に…海水浴場閉鎖・花火大会中止も“巨大地震注意”各地での対応は

8日に発生した、宮崎県の日向灘を震源とする地震を受け、南海トラフ地震臨時情報『巨大地震注意』が出されたため、お盆直前ですが、新幹線など公共交通機関に遅れや運休、海水浴場では遊泳禁止、高齢者施設では入居者を避難させるなど、各地で備えが進んでいます。

■“巨大地震注意”の影響続く

発生から一夜、地震の全容が明らかになってきました。最大震度6弱の地震が記録された日南市。中心部近くでは…。

所村武蔵アナウンサー
「店舗のガラス部分も割れてしまっています。崩れてきた破片が今も散乱している状況です」

お店を開けるためには撤去を終わらせなくてはなりません。

ビリヤード店の店主
「ショックというより、歩いている人に落ちなくて(地面に)落ちてホッとした」

鹿児島県志布志市では、お盆を前にしてお墓で灯籠などが倒れる被害があったといいます。倒れないように補強に来たという人は…。

墓を補強しにきた男性
「まだ大きいのが来るんじゃないかと心配ですね」

宮崎と鹿児島でこれまでに13人がけが(うち1人意識不明)をしています。

“巨大地震注意”という臨時情報が初めて発表された8日の地震。対応も初めてになります。

林芳正官房長官
「夏休みに伴う旅行帰省等も含めて、日常の生活における社会経済活動を継続しつつも、地震発生時に直ちに避難できる態勢をとっていただく」

岸田総理も、今回の発表が国民の事前避難を求めるものではないとしつつ、国内での対応のため外遊を取りやめるとしました。

■海水浴場閉鎖 花火大会中止も

宮崎県日南市の温泉宿では、宿泊のキャンセルが二十数件、60人分の予約がなくなりました。さらに温泉にも変化が…。

べっぴんの湯の宿 丸新荘 松田勝宏代表
「地震の影響ですね。こんなのは何十年に1回じゃないですかね。通常、北郷温泉というのは無色透明なんですよ。だから、こんなに濁るのは何十年に1回」

動揺や混乱は全国に広がっています。和歌山県白浜町の白良浜海水浴場は巨大地震注意が発表されたことで閉鎖されました。町によると、閉鎖するのは4カ所で、10日に予定されていた花火大会も中止に。いずれも注意情報の発表を受けての対応です。

南紀白浜と言えば、県の内外を問わず、多くの観光客が訪れる、関西屈指の人気観光地ですが…。

南紀白浜観光協会 沼田弘美副会長
「海外からのお客様もお見えになられています。(閉鎖や中止は)大きな決断をせざるを得ないところだったと思う。高台に上がろうと思った時に、その場所からどこに逃げたらいいのかを、それぞれで判断する訓練ができると、皆様に安心して遊んでいただけるのではないか」

内閣府の資料のよると、白浜町は最短4分で津波が到達。最大で16メートルの津波が来る予測になっています。

同じく最短4分で津波が到達すると予測されている三重県尾鷲市。ここにあるグループホームには認知症を発症している入居者など、9人が暮らしています。

在宅ケアグループあいあい 東加絵さん
「1秒でも早く安全な場所に移動させるということをしたい」

海抜の低い地区に建てられているため、9日に高台への避難を始めました。

入居者
「(何かあっても)逃げることができないからね。安心ですよ」

■高知名物“よさこい”慎重に開催へ

高知名物のよさこい祭りは慎重に開催を決めました。

よさこい祭振興会 岡林成海統括
「発災時に一番怖いのは津波になると思うが、海辺のイベントではないので、まずは“正しく恐れる”。発災時には、ここにどれくらい後に津波が到達するかをしっかり認識しながら対応していく。ここが重要だと」

参加する踊り子のチームも少し減りましたが、全国から人が集結します。また、参加者はLINEの登録をすることで、簡単に避難場所が分かるようにしています。

よさこい祭振興会 岡林成海統括
「皆様の安全と発災時の誘導を含めて、改めて気を引き締めて開催にあたらないといけない」

外部リンク
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