ガザ地区を巡る戦闘でパレスチナ側の死者が4万人に迫る中、ガザ当局のメディアトップが取材に応じ、「がれきの中にまだ、1万人以上が埋まっている」と明かしました。
「残された病院はひとつだけだ。私の目の前に立っているアル・アクサ病院が現在ガザで運営されている唯一の自治政府系病院だ」(ガザ当局のメディアトップ・イスマイル氏、以下同)
ハマスが運営するガザ当局のメディアトップ・イスマイル氏は、ガザ地区に35あった自治政府系の病院のうち現在、手術ができるのはアル・アクサ病院だけだと明らかにしました。その病院も182床あるベッドに対し、700人以上の負傷者が押し寄せていて、病室の床や廊下に患者があふれかえっているとしています。ほかの病院は攻撃を受けて機能せず、応急処置しかできない状態です。
「イスラエル軍が家を破壊したため、ガザ地区住民の80%以上が家を失った」
家を失い避難した人たちが身を寄せる学校がイスラエル軍に相次いで標的とされたことについては、「事前に市民への警告があればこれほど多くの死者は出なかったはずだ」と非難しました。ガザ地区での死者は増え続けていて、その数はまもなく4万人に達します。
「1万人以上の死者ががれきの下や破壊された物の下にいて、医療チームがたどり着けないまま埋もれている」
イスマイル氏はガザ地区全体に医療が行き届かず、失われていく命があると訴えます。そのうえで日本政府にはイスラエルに政治的、外交的な交渉をし、ただちに検問所を開けて医療チームが入れるようにしてほしいとしています。(ANNニュース)