名古屋では13日、20日連続の猛暑日となり、82年ぶりに猛暑日の連続記録を更新するなど各地で危険な暑さが続いています。
【画像】東京から移住…「子育てに適している気候」 新たな命も
こうしたなか、番組では夏は涼しくて冬は暖かいという町を発見しました。
■全国246地点…35℃以上の猛暑日に
ギラギラと照りつける灼熱の太陽。13日、全国で最も暑かったのは、兵庫県西脇市。39.5℃と、観測史上1位を更新しました。
全国で246地点が35℃以上の猛暑日となった13日、関東各地の最高気温は、さいたま市で37.1℃となるなど猛暑日が目立つなか、“100年以上猛暑日知らずの街”で知られる千葉県勝浦市は33.3℃と、他の場所と比べて低くなっています。
番組は、勝浦よりも涼しい新たなスポットを発見しました！ その場所とは？
■都心より6℃以上涼しい 千葉・銚子に注目
東京駅から、特急列車でおよそ1時間50分。東と南に太平洋、北に利根川と三方を水に囲まれた千葉県最東端に位置する、人口およそ5万4000人の銚子市。
国の名勝と天然記念物に指定されている、屏風ケ浦。海の波によって削られた、およそ10キロにわたって続く断崖は“自然が織り成す芸術”です。
銚子のシンボル的存在、初点灯から今年で150周年を迎える「犬吠埼灯台」。雄大な大海原と、白亜の灯台が織り成す絶景は、「世界灯台100選」にも選ばれ、国の重要文化財にも指定されています。
灯台や太平洋を眺めながらの露天風呂は、まさに至福のひととき。夜には、灯台から放たれる光と星空の絶景を堪能できます。
自然に癒やされるだけでなく、全国有数の水揚げ量を誇る銚子は海の幸がふんだんに乗った海鮮など、食べ物も魅力の一つです。
そして銚子と言えば…街を包み込む霧。そして、海の上にも！銚子地方気象台によると、南からの暖かく湿った空気が、冷たい親潮に冷やされることで霧が発生。霧の年間発生日数（平年値）は北海道が上位を占めるなか、銚子は全国3位に。“関東一の霧の街”とも言われています。
断崖を白い塊が滝のように流れ込む幻想的な光景。霧が発生した先月4日には、大地の濃い霧が海へと流れる「滝霧」という現象も。
13日、番組が銚子市に向かうと、午後2時半のJR銚子駅前、手元の温度計は31℃を示しています。東京都心の同時間帯と比べても6℃以上の温度差がありました。
13日、銚子の最高気温は32.4℃。千葉県では、船橋市で36.9℃、市原市で37.0℃など猛暑日が目立つなか、銚子は涼しい街でお馴染みの勝浦より1℃近くも低い気温に。 先月の最高気温を比較しても銚子（33.9℃）は、勝浦（34.2℃）や東京都心（37.3℃）を上回る涼しさとなっています。
銚子市 企画課企画室
石毛里美主事
「勝浦の気候が涼しいと注目されていますが、銚子市も涼しいですので、朝晩はかなり気温が涼しくて寒すぎて起きてしまうこともありましたので」
さらには、東京と比べて「－5℃」。5℃涼しい時に作ったというTシャツもありました。
さかな工房 かねまた
店長
「やっぱり朝晩はかなり涼しいですよ」
「（Q.自宅にクーラーはある？）あんまり使わない。窓開けた方が涼しい。クーラーの風は冷たいもん」
あじ処まほろば
穐山幸江オーナー
「（Q.クーラー自体はあるけどつけてない？）ほとんどつけませんよね。私は（クーラーつけて）寝なくても平気だもん。涼しい街の中に銚子も参加したいって話をしていたのよ」
「（Q.勝浦には負けない？）と、思いますよ」
“夏が涼しい”といえば…“冬は寒い”のではないか？
石毛主事
「冬に関しても雪が降るっていうのはほとんどないので暖かく過ごせます。夏は涼しく、冬は暖かいです」
犬吠埼観光ホテル 銚子市観光協会 副会長
三河大吉さん
「お泊まりのお客さんからは『久しぶりにエアコンなしでゆっくり過ごせたよ、寝ることができたよ』とか。避寒・避暑としても訪れていただければと」
■なぜ“夏は涼しく冬は暖かい”？
なぜ銚子は“夏は涼しく冬は暖かい”のでしょうか？
三重大学大学院
立花義裕教授
「銚子の沿岸の海の水は非常に冷たい親潮という海流が流れているんですが、夏はこの冷たい海流の影響を受けて冷やされた空気が銚子に流れてくるということで銚子の夏は涼しい」
一方、冬は親潮以外にも、銚子の沿岸から離れた沖合を流れる暖かい海流（黒潮）の影響を受けます。
気圧配置の関係で沖合から銚子に向けて強い風が吹くため、黒潮で温められた空気が陸地へと流れ込むというのです。
■銚子市は…「過ごしやすい！」
銚子市に住む
綱代晴久くん（4）
「過ごしやすい！」
「（Q.どんなところが？）全部！」
銚子市内の実家に2人の息子と遊びにきた綱代さん、1週間のうち半分をこちらで過ごしているといいます。
銚子市に住む
綱代るみさん（30代）
「（Q.いい風が入ってきますね）昔の家なんで全部個室がないんです。全部つながっていて風が通るように。昔は嫌だったんですけど個室がないから。それが良かったんだなって今は思いますね」
市外から遊びに来ていた甥（おい）も…。
茂原市に住む
宮城紘喜くん（16）
「（きのう）夜中は冷房とかはつけずに早朝もエアコンはつけずに風だけで過ごしました。銚子の冬は本当に暖かいので、暖房とかはつけずにもう全然寝られちゃいます」
■観光地はにぎわい…首都圏ナンバーも
勝浦に負けないほど夏は涼しく、冬は暖かい気候の銚子市。
ローカル線「銚子電鉄」下りの終着「外川駅」。映画のロケ地などにも使われ、大正12年（1923年）に建築されたレトロな木造駅舎は趣を醸し出しています。
段違いの涼しさのなかで、大自然を堪能した後は…水揚げ直後の新鮮な魚など、豊富な海の幸を取りそろえた市場。
お昼時の食堂は満席。黒潮が育んだイカのどんぶりは、究極の味わい。
観光地の駐車場は多くの車で埋め付くされ…止まっている車を見ると、葛飾や杉並など首都圏ナンバーも。街の至る所には、長袖を着ている観光客が多く目立ちます。
千葉市から来た人
「風は涼しい。過ごしやすい」
鎌ケ谷市から来た人
「鎌ケ谷は暑くて暑くて」
「（Q.1枚羽織ってますけど気候はどう？）別に耐えられる。（銚子は）冬も暖かくて夏も涼しくて。勝浦もそう言っているけど、さほど変わらないんじゃない？銚子と」
■東京から移住 「子育てに適している気候」
去年1月、東京・調布市から家族6人で移住してきた和田道也さん（41）。SNSでは、子どもたちと銚子の魅力を発信。移住の決め手の一つには“夏の涼しさ”もあったといいます。
和田さん
「東京の感覚でいうと日中歩けないぐらい息が詰まるぐらいの暑さだと思うんですけど、銚子だとそこまでではなくて。風が通るのでだいぶ涼しいです。夜と朝はちゃんと気温が下がります。東京だと熱帯夜みたいな暑苦しい日が続くと思うけど、銚子はちゃんと気温が下がるので」
こうした気候は、子育てにも適しているといいます。
和田さん
「環境がいいですね。子育てに適している気候ですね。『夏は涼しくて冬は暖かい』というのは、みんな口をそろえて言うぐらい（移住前から）事前に聞いていました」
三男 伍生くん（5）
「（Q.東京と涼しいのはどっち？）ちょーしー」
そんな6人家族の和田さんには、おめでたい出来事が…。
和田さん
「5人目です」
妻・絢子さんのおなかには、5人目の子どもが。銚子に住んでから生まれる初めての子どもに…。
和田さん
「海にちなんだ名前に次しようかなと思っています。銚子っぽさを取り入れたいなと。『海』とか入れたいなって話はしています」
そして13日朝、3370グラムの初めての女の子を出産。母子ともに健康だということです。
石毛主事
「今年の移住相談の件数というのはかなり窓口にきていまして去年よりもおそらく超えるんじゃないかなと。『夏は涼しく冬は暖かい』というフレーズを言うと『それは知らなかった！』って言ってくれますね」
（「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年8月14日放送分より）
