国内の視察を精力的に行い、先々のスケジュール感も示していたこともあり、大きな驚きを持って受け止めた人も少なくない。なぜ岸田総理は不出馬を表明したのか? ポスト岸田はどうなるのか?テレビ朝日政治部官邸サブキャップの澤井尚子記者に聞いた。
澤井記者は不出馬の理由について「再選に向けて出馬をしても勝てない、と判断したのでは。7月のANN世論調査でも岸田政権の支持率は20.2%と低迷が続いていて、 9月までに回復する兆しもない中、いわゆる“岸田おろし”で引きずりおろされる前に自ら先手を打ったのだろう」と話す。
ポスト岸田については「岸田総理が出ないことで構図が大きく変わる」と説明した。
「河野デジタル大臣、高市経済安保担当大臣、茂木幹事長の3人は出馬がしやすい状況になった。特に茂木氏は“第2の明智光秀になってはならない”などと言われていたこともあるので影響は大きい」
党三役以外にも石破元幹事長、小林前経済安保担当大臣、小泉元環境大臣の名前が挙がっている。
この点について澤井記者は「石破氏は本命ともされているが、自民党としては少なくとも来年秋までに衆議院選挙を控える中で刷新感を出したい。過去4回も出馬している石破氏ではその点において難しい。そんな中で、49歳の小林氏と43歳の小泉氏を推す声が高まってきている。小林氏は元々二階派に所属しており、重鎮からも好かれており、麻生派の甘利氏とも近い。さらには経済安保担当大臣としての経験もある。元々、財務省の官僚としてキャリアもあって、かなり実直なタイプ。地味だが誰にも嫌われないタイプで、小泉氏とは対照的とも言える。小泉氏は小泉純一郎元総理から出馬しないように言われているとの話もあるが、実際はどうかわからない」と話す。
さらに、総裁選において注目されているのは、「麻生副総裁が誰を推すのか」だ。
この点について澤井記者は「3年前と同様に、麻生派全体で河野氏を推すのは難しいのではないか。総裁選が9月20日だとしたら直後には国連総会もあり、外交シーズンに入っていくことに加え、アメリカでトランプ前大統領が勝利するかもしれないという中で、外交力もポイントになる。その点、茂木さんは評価が高い」と分析した。
では、現状において、次の総理大臣になる可能性が最も高いのは誰なのか?
澤井記者は「個人的には小泉氏だと考えている。世論調査では常に人気が高く、安倍派の森元総理に加えて、総裁選でキーマンとなる菅元総理からも推されていると見られているからだ」と述べた。
(ABEMA NEWS)