かつて「サル痘」と呼ばれていた感染症「エムポックス」がアフリカ中部で急拡大していて、WHO(=世界保健機関)が「緊急事態」を宣言しました。
WHOのテドロス事務局長は14日、感染症「エムポックス」がアフリカ中部のコンゴ民主共和国で急拡大し、近隣諸国にも広がっていることを受けて、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言しました。
「エムポックス」は、2024年に入ってコンゴ民主共和国を中心にアフリカで1万7000人以上の感染が確認されていて、517人が死亡しています。
厚生労働省などによりますと、「エムポックス」は2022年に、主に男性同士の性行為を通じて欧米などで感染が急拡大しました。WHOが2022年7月に緊急事態を宣言しましたが、その後、感染者数が落ち着き、2023年5月に宣言を解除していました。日本では2022年7月に国内最初の感染者が報告され、8月9日時点でのべ248人の感染が確認されています。
今回のアフリカでの流行では、2年前よりも感染力の強い変異株が確認されているということです。国内では薬事承認された治療薬はありませんが、天然痘ワクチンで約85%の発症予防効果があるとされています。(ANNニュース)