『探偵!ナイトスクープ』(テレビ朝日系)が8月30日に放送され、巨大な手作りのラジコン船と、それを「寄贈したい」という男性の願いに迫った。
視聴者から寄せられた依頼にもとづいて、探偵局長が部下の探偵たちを野に放ち、世のため、人のため、公序良俗・安寧秩序を守るべく、この世のあらゆる事どもを徹底的に調査追求する同番組。今回の「50年前の巨大ラジコン船」は、大阪府の男性(78)からの依頼で、内容は以下のものだ。
『今から50年ほど前に作ったラジコンの船についてお願いしたいことがあります。その船は全⻑が1メートル30センチにもなる、パーツの一つひとつを手作りして完成させたものです。現在、私は娘の家で同居しており、この度、それまで自分が住んでいた家を処分することになったのですが、その船はその家に置いてあるのです。娘の家には、そんな大きな船を置いておくことができません。なので処分せざるを得ないのですが、最後にもう一度、私の故郷である熊本県天草の海で船が走る姿を見たいのです。最後に動かしたのは30年前になります。今でも動くとは思うのですが、故郷の海で船を走らせるお手伝いをお願いします。そして、処分するのは無念な思いがあるので、船をもらってくれる人を探すお手伝いもしていただけないでしょうか』
その船は全長約1m30cm、高さはマストだけで約165cmあるもの。ラジコンヨットの設計図を購入、パーツは手作りし、1971年から5年ほどかけて作ったそうだ。男性は元船員で、「ヨットが好きで、船の航海中も長い」ことから制作したという。
船の動力は、風を受けて進む際の方向を決める舵。専門店でチェックしてもらうと、リモコンで舵を動かせることが確認できた。さらに、天草の母校の水産高校に寄贈したいと申し出ると、副校⻑からは「動くかどうか確認してから」とシビアな回答が。
なにはともあれ、天草の海へ。副校長も見守る中、湾にしっかりと浮かんだ船はジグザグと進路をとりながら、徐々に沖へと向かっていく。この日は風が落ち着いていたため、目標に到達することはできなかったものの、船は“航海”をすることができた。
30年ぶりの操縦に、男性は「満足です」の一言。また、寄贈も受け入れてもらえることになり、「一日でも長く展示してもらえるように頑張ってくれれば、それでいいと思います」と声を震わせて最後のメッセージを送っていた。