過去最多9人が乱立する自民党総裁選。
その勝敗を分けるポイントが見えてきました。
■「裏金」「経済政策」で9人が論戦
実態解明や真相究明が進まない「裏金事件」。9人の候補者はどう考えているのでしょうか。
上川 外務大臣(71)
「二度とこうしたことが起こらないよう、第三者機関による資金チェックを徹底し、民間企業に匹敵する高いコンプライアンスの実現をいたします」
自民党 小泉 元環境大臣(43)
「説明責任を果たしているか、再発防止に取り組んでいるか、私が総理総裁になったあかつきには、新執行部の下で厳正に判断をしたい」
林 官房長官(63)
「処分については、裁判や報道等で新しい事象が出てくれば、再調査も、そして再処分もあり得ると」
すべての候補者が、新たな指摘がなされない限り、再調査や追加処分を行わない考えを示しましたが、国民の理解を得るため裏金の返納を求める人もいました。
加藤 元官房長官(68)
「私どもがいただいている政党交付金の中から不記載相当分については、国庫に返納する。こういった形でですね、自民党としての責任をしっかり果たしていく」
河野 デジタル大臣(61)
「私は不記載になった額をきちんと国庫に返納してもらうということで、けじめをつけたいと思います」
各候補者の20人の推薦人を見ると、いわゆる裏金議員は、高市氏が13人で最多。加藤氏は4人、茂木氏は2人、小泉氏と上川氏は1人ずつ。林氏、河野氏、石破氏の推薦人に裏金議員はゼロ。
出馬会見に複数の裏金議員が出席した小林氏も推薦人に名前はありませんでした。
岸田政権の経済政策ついては、どの候補も基本的に継承し、進化させるとしました。
自民党 小林 前経済安保担当大臣(49)
「私は地方に産業クラスターをつくって、地方の雇用機会を増やして所得を上げていきたい、シン・ニッポン創造計画を打ち出していきます」
自民党 茂木 幹事長(68)
「財源については、経済状況の改善であったり、さらなる成長による税収アップ、税外収入の増加によって、私は (増税なしで)十分確保できると」
高市 経済安保担当大臣(63)
「(岸田政権から)転換すべき点でございますが、やはりいつ増税があるのか。このマインドは払拭しなきゃいけないと」
防災省創設については石破元幹事長のみ強く主張しました。
自民党 石破 元幹事長(67)
「世界一と言ってもいい災害大国で、専門の省庁がないことの方がよほど異常だ。全国どこで何が起こっても同じ対応ができる。それが国家の責任だと」
■“次の総理”は誰?勝敗分けるポイントは?
政治部(自民党担当)小池直子 記者
「知名度が大きく影響する地方票では、石破さんと小泉さんが優勢とみられていて、すでに党内では、決選投票をにらんだ駆け引きが始まっています」
「ある候補は、1回目の投票での支援を断られた際、『決選投票になったらよろしく頼む』とお願いするなど、先を見据えた協力を呼び掛けています」
「小泉さんについては、ベテラン議員から、『進次郎が失速しない限り最有力の候補だ』との声が上がっていますが、ここ数日の論戦では、聞かれたことに対してワンフレーズで切り上げてしまうなど、失言を避けるためか慎重な答弁に徹しています。党内からは早速、この先の論戦を乗り切れるのかと不安視する声も漏れ始めています」