自民党員「口だけじゃなく行動を」総裁選候補が沖縄で演説 基地返還や経済振興策語る

自民党総裁選に立候補している9人が17日、沖縄で合同演説会に臨みました。基地負担やアメリカ兵による性暴力など数多くの課題を抱える沖縄で、有効な道筋を示すことはできたのでしょうか。

■基地移設や経済振興策を語る

視察に訪れた、小泉元環境大臣。沖縄の経済団体や、那覇市などはアメリカ軍・那覇港湾施設や、普天間基地を移設した後の一体的な開発を目指しています。

小泉元環境大臣
「普天間基地の移設、こういったことは世界で一番危険な基地、この移設は着実に進めていきたい」

合同演説会では、視察を踏まえて沖縄の産業振興策を語りました。

小泉元環境大臣
「一体的な開発を進めて次の時代につながるリゾートや観光、さらにビジネスを広げていくような西部の海岸地区を開発する。稼げる産業を次世代に作らなければいけない。そのために私がやりたいのが聖域なき規制改革」

小林前経済安保担当大臣は、世界トップクラスの企業を誘致して経済効果を生み出す。加藤元官房長官は、沖縄関連予算の増額をバネに県民所得を上げると訴えました。

■謝罪の理由は

候補者が数々の経済振興策を挙げるなか、1人謝罪を述べた人がいます。

石破元幹事長
「ご負担をかけておりますこと、今も深くおわびを申し上げるものであります」

謝罪の理由。それは11年前の出来事が関係しています。

石破元幹事長
「普天間飛行場の辺野古への移設。これは政府として党として決定を致したことであります。しかし十分に沖縄の皆様方のご理解を得てそれを決めたかというと、必ずしもそうではなかった。安倍政権を支える幹事長をしていた私の責任は極めて重い」

こう話したうえで、在日アメリカ軍の施設使用や地位などを定めた、日米地位協定の見直しに着手する考えを示しました。

石破元幹事長
「国際大学にヘリが墜落した。沖縄の警察は入ることもできなかった。運用の改善だけで事が済むとは私は思いません。そして沖縄の基地を共同管理にできないかということであります」

林官房長官は、政府の方針に則り、辺野古移設を進めることを強調。河野デジタル大臣は、軍拡路線を貫く中国を念頭に、憲法論や法律論だけでない安全保障の議論の必要性を。茂木幹事長は、増税をせず、防衛力の強化などを図る考えをそれぞれ訴えました。

高市経済安保担当大臣は経済成長を強調しました。

高市経済安保担当大臣
「経済成長、経済成長、経済成長と訴えている。なぜかと言ったら国力を強くする。防衛力、外交力、経済力、技術力、情報力、人材力、どの力を強くするにもやはり経済成長が必要ですから」

アメリカ兵による性暴力事件が後を絶たないことも問題です。9人のうち、上川外務大臣がこの件に唯一、触れました。

上川外務大臣
「こうした悲惨な事件に対し、心も胸も潰れる思いでいっぱい。基地関係者の性犯罪・性暴力は二度と起こさせない。こうした厳しい姿勢で交渉に臨みます」

■党員「口だけじゃなく行動を」

演説会を自民党員はどう見たのでしょうか。

自民党員(68)
「基地問題はそれほど語っていなかった。(Q.どんなことを語ってほしかった)沖縄に対する予算の掛け方。その辺をもうちょっと。具体的には言えないとは思うが、もうちょっと踏み込んでほしかった」

自民党員(50代)
「今、自民党って不信感を持たれていると思うので、そこをぶっ壊してくれるところ。新しい視点の自民党というところを見せていただきたい」

自民党員(70代)
「やっぱり経済。沖縄をもっと大事にしてほしい。口だけじゃなくて行動で示してほしい」

外部リンク
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