夏から続いたコメ不足は、新米が出回り徐々に解消されつつありますが、殺到した予約が大量にキャンセルされ、農家が困惑しています。
【画像】コメ不足、新米入荷で解消? 店頭に並ぶも価格高騰続く
■今年の新米の出来は?「去年より数段いい」
羽釜で炊き上げられたツヤツヤのごはん、山形県産の「つや姫」の新米です。
都内で代々、精米店を営む伊藤武夫社長は毎朝、店で精米したてのコメをおにぎり用に炊き上げ、販売しています。
炊きたてご飯のおにぎり。そのお味は?
佐藤ちひろアナウンサー
「焼きおにぎりいただきます。新米の香りがよく、かめばかむほど甘いです」
おにぎりは20種類で、1つ150円前後です。
使われている今年の新米の出来は?
伊藤社長
「玄米の見た目も全然違う。精米しても、今年は出来が去年より数段いい」
■今後も価格は高止まりのまま?
夏から続くコメ不足と高騰。スーパーには行列ができ、棚からすぐにコメがなくなりました。
伊藤精米店では、米の種類は一時期5種類にまで減りましたが、現在は続々と新米が入荷し、10種類以上に増えました。
供給量は十分ですが、気になるのは、その価格です。
白米購入客
「(Q.最近のコメの値段はどう感じる?)ちょっと上がってしまいましたね」
伊藤社長も、価格には頭を悩ませています。
伊藤社長
「昨年度産を置いていると、こればかり売れる」
精米前の1キログラムあたりの値段は、去年の「やまのしずく」が540円なのに対し、今年の新米は720円と、およそ200円も高いのです。
伊藤社長
「今までみたいに新米になって10円、20円上がるのとは(今回は)全然桁が違う」
価格は今後も高止まりしたままなのでしょうか?
伊藤社長
「(金額が)上がるかもしれないし下がるかもしれない。このまま推移していくのか」
■新米出回り、1トン分キャンセル
栃木県那須町のコメ農家・井上真梨子さんは、今も「コメ騒動」の影響があるといいます。
稲作本店 井上真梨子代表
「例年の4倍のコメの予約が入りました」
品薄を受け、5キロや10キロのコメを毎月届ける定期便の予約が次々と舞い込み、仕事量はおよそ4倍になったといいます。
しかし、スーパーに新米が並び始めた9月後半、異変が起きました。
井上代表
「9月15日から30日まで、キャンセルが20件ぐらい相次いで発生した」
殺到した定期便の予約、1トン近くのコメがキャンセルされてしまったのです。
井上代表
「せめて食べてほしかった。食べてから評価してほしかった」
(「グッド!モーニング」2024年10月2日放送分より)