10月5日(土)に放送されるTVアニメ『僕のヒーローアカデミア』第158話「少女のエゴ」では、麗日お茶子とトガヒミコという、ヒーローと敵<ヴィラン>双方のメインキャラクターが対峙する注目回となる。今回の主役ともいえる、お茶子役の佐倉綾音とトガ役の福圓美里が、この回に懸けた想いや、アフレコ当日に感じた気持ちなど、その胸の内を激白した。
【放送】お茶子とトガヒミコが対峙する第158話「少女のエゴ」
『ヒロアカ』の物語の重要なポイントのひとつである、2人のドラマ。自分にとっての“普通”が社会には受け入れられず、そして大事な仲間が殺されヒーローの復讐を果たさんとするトガ。そんな彼女を拒絶するではなく、刃を向けられてもその“普通”を少しでも理解しようとするお茶子。その2人を演じた佐倉と福圓の想いが語られる。
―この7期第20話(No.158)「少女のエゴ」の物語を原作で読んだ時、どんな気持ちになりましたか?
佐倉綾音「来たるべき日として頭の端っこで想像はしていたはずなのに、堀越先生の絵でそれを現実として突きつけられた時、ただ呆然として、ごちゃごちゃな涙を流すことしかできませんでした。肯定と否定が自分の中でうずまいて、それでも出会わなければよかったとは思えず、ただただヒロアカとの、トガヒミコちゃんとの出会いに感謝しました。」
福圓美里「これ以上ない素晴らしい結末に、トガの声優という以前に一読者として圧倒されました。トガちゃんが誰も傷つけず罪を償い社会で生きていくことは可能なのかとここ数年何度も考えたけれど、それは彼女を苦しめつづけた「大多数の普通」の枠に押し込めることになるし…もうご存知の方もいらっしゃるとは思いますが、まだの方はアニメで彼女たちの生き様を見届けてくださったら嬉しいです。」
―アフレコまでにどんなことを考え、そして当日はどんな想いで臨んだのでしょうか?
佐倉綾音「この回のアフレコが来なければいいのに、とずっと真綿で首を絞められているような感覚があって、でもすでに苦しみの最中にある彼女たちの時間を、歩みを絶対に進めてあげなくてはならないという使命感もあって、心がぐちゃぐちゃなままスタジオに到着しました。福圓さんとは通路をあけた隣の席に座りました。隣だけど確実に溝があるその距離感が一番心地がよくて、アフレコに集中することができました。」
福圓美里「原作に感動したと共に、これをいつか演るのかぁ…と思ったら正直プレッシャーで。あと終わりたくないのもありまして、なるだけ遅くなったらいいなあなどと思っておりました。当日はなんだかとても静かでした。心も頭の中も。スタジオも。戦いに行くときってこんな感じなんですかね。不安がなかったわけじゃないけど、綾音ちゃんに会ったらいつもと纏っている空気が全然違くて、この人と真正面からぶつかれるの楽しみでしかないと思えました。」
―お互いの掛け合いをはじめ、アフレコ中にはどんなことを感じましたか?
佐倉綾音「ずっと泣いていました。収録中、台本の文字はほとんど見えなくなっていて記憶もほとんどありません。絵コンテのトガちゃんの顔だけが脳裏に焼き付いています。芝居というか、生きたという感覚が近かった気がします。容赦なくリテイクは飛んできた気がするのですが、あまり覚えていません。どのテイクがチョイスされたのか、私もオンエアでないと分かりません。休憩に入っては、先輩たちが「すごいね」「すごかったね」と労ってくれたことだけに安心感を覚えて、また台本に向き合って心を痛めて涙を流して…の連続でした。福圓さんはなぜかすっきりとした顔をして「綾音ちゃん、なんでそんなに泣くの」と笑っていて、それがまたしんどくて、アフレコが終わった後も街を歩きながらしばらくひとりで泣いていました。」
福圓美里「正直記憶が飛び飛びで。途中で「喉が終わる」と思ったのは覚えています。アフレコの後2.3日ヒリヒリしていました。主観になりすぎる部分を音響監督さんはじめスタッフさん方からご指示いただき、めっちゃくちゃ丁寧に録っていただきました。本当に何度もやらせていただけたのと、綾音ちゃんと共にあの瞬間にしか出ない芝居だと思うので荒い部分あるかもですが後悔はありません。」
―放送を待っているファン・視聴者の皆さんにメッセージをお願いします。
佐倉綾音「デクくんから始まったふたりの関係は、いつしかちいさな女の子ふたりの矜持のおはなしになっていきます。すべての想いをとりこぼさんとする、ヒーローとしてだけでないお茶子の人間性をどう表現したらいいか最後まで悩み抜きました。デクくんに影響を受けたちいさなふたりの、ひとつの結論をぜひ見届けてください。」
福圓美里「ついにこの日が来てしまいます。私もまだ完成を観ていないのでオンエアで皆様と一緒に観るのが楽しみです。トガヒミコの声をおよそ10年やってまいりました。掴みにくく何層もある彼女ゆえ、トガちゃんと私の間には常に少し距離があります。でもこのエピソードでは完全に重なった瞬間がありました。どうか不器用なトガちゃんと、優しいお茶子ちゃんの想いが皆様に届きますように。7期クライマックス、見逃さないでくださいね。」
『僕のヒーローアカデミア』TVアニメ7期は、毎週土曜17時30分より、読売テレビ・日本テレビ系全国29局ネットで放送中。ABEMAでは最新話が放送後1週間無料配信される。
(C)堀越耕平/集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会