石破茂総理大臣が発表した裏金議員への処遇を巡り、自民党内は大荒れとなっています。
【画像】“処分議員”比例への重複立候補認めず「二重処分だ」「自公の過半数割れが視野に」
■「自民党の終わりの始まり」関係者も憤慨
自民党東京都連 井上信治会長
「きのうは各候補者、政見放送も撮らせていただきました。なぜもう少し早く決断をしていただけなかったのか、いろんな思いがあります」
7日に開かれた自民党東京都連の会議。聞こえてきたのは、裏金議員の非公認に対する不満の声です。非公認となれば、政見放送を流すこともできません。
井上会長の横でうつむいているのは、東京24区から出馬予定の萩生田光一氏。非公認となるのは避けられない状況です。
党役職停止1年 萩生田元政調会長
「正式にまだ聞いてないので、決まったらきちんとコメントします」
他にも、非公認が確実な議員はみんな、険しい表情。記者からの問いかけにも、ほとんど応じませんでした。
追い打ちをかけそうなのが、非公認の議員に対する公明党の判断です。
公明党 石井啓一代表
「我が党が推薦するということにはならないのかなと思っています」
大きな組織票を持つ公明党の支えを失うことになれば影響は計り知れません。
一方、公認を得られたとしても、処分された議員は全員、比例への重複立候補が認められません。その数およそ50人に上るとみられ、党内は大荒れです。
自民党関係者
「すでに処分は終わっているのに、こんなことをしたら二重処分だ。重複なしと言われただけで20人ぐらいは落ちるんじゃないか。自民党の終わりの始まりだよ」
自民党中堅議員
「これで自公の過半数割れが視野に入ってきた」
■裏金議員処遇 代表質問でも焦点に
裏金議員の処遇については、代表質問でも焦点となりました。
立憲民主党 野田佳彦代表
「総理はきのう、相当程度の非公認が生じると述べられました。相当程度に(裏金議員の)非公認が生じるのではなく、大半が公認されるのではないか」
石破総理
「現時点において公認となる方が誰かは、具体的に確定しておりません」
日本維新の会 馬場伸幸代表
「裏金・脱税に関与した全員を非公認とするべきでないでしょうか」
石破総理
「引き続き適切な方法で、地元の理解が得られているかなどを判断してまいります」
国民民主党 玉木雄一郎代表
「政治資金規正法というルールを守らなかった裏金議員を小選挙区で公認するということは、自民党としてふさわしい候補者と公式に認めるということでよろしいでしょうか」
石破総理
「このような厳しい姿勢で臨むことにより、ルールを守る自民党を確立をいたしてまいります」
この代表質問では、総理の答弁に対してさらに質問をすることはほとんどありません。
■総理答弁に野党「がっかり」「脱石破に」
そこで、番組は論戦を見守った参議院の野党幹部を取材しました。すると…。
日本維新の会 音喜多駿政調会長
「何も言ってないですね。官僚答弁ですね。がっかりですね」
「(Q.どういった回答を期待してましたか?)総理になった以上、ゼロからもう一度やり直す。再調査を徹底すると言ってほしい。やっぱり、今までの石破さんとは違うと思う」
立憲民主党 辻元清美代表代行
「(Q.きょうの代表質問はどう受け止めている?)石破さんじゃないみたい。全く覇気がないし、石破さんが総裁選挙の最中や、今まで言ってきた正論を全部封印してしまった」
終了後、他の政党からも厳しい指摘が相次ぎました。
共産党 志位和夫議長
「新しい問題があれば調査をやるといった。(裏金問題の)再調査抜きにフタをするなんてあり得ない」
れいわ新選組 山本太郎代表
「(石破総理は)自民党という党の中の一員として、30年の日本の没落というものを手伝ってきた一因でしかない。そこに希望なんてない」
社民党 福島みずほ党首
「新しい意欲的な答弁なし。石破総理は脱石破になった」
参政党 神谷宗幣代表
「総理になると言うことが変わるなら、何のための総裁選なのか」
石破総理は9日に党首討論に臨み、その後、衆議院を解散します。
(「グッド!モーニング」2024年10月8日放送分より)