『ポツンと一軒家』(テレビ朝日系)が10月6日に放送され、岩手県の山奥で暮らす夫婦の生活の様子が明らかになった。
日本各地の人里離れた場所に、なぜだかポツンと存在する一軒家。そこには、どんな人物が、どんな理由で暮らしているのか!?衛星写真だけを手がかりに、その地へと赴き、地元の方々からの情報をもとに、一軒家の実態を徹底調査しながら、人里離れた場所にいる人物の人生にも迫っていく同番組。
今回は岩手県、山の谷間を切り裂いたような横⻑に切り拓かれた土地で、ポツンと一軒家を発見。綺麗に整備された畑がある敷地に、屋根がいくつも密集しているように見える。
水田が広がる最寄りの集落で話を聞くと、かつては3軒の集落だったそうだが、現在は夫婦で暮らしている1軒しかないという情報を入手。捜索隊は集落を後にすると、辺り一面が木に覆われた山の中へ入っていく。「クマ出没注意」の看板やスノーポールがある山道を横目にしばらく進んでいくと、視界が開けて綺麗に整備された畑が目に飛び込んできた。
捜索隊を笑顔で迎えてくれたのは、80歳と77歳の夫婦。先祖がこの地にやってきたのは明治初期の頃。山奥の土地を開墾し、稲作や林業、食用馬の畜産などを生業にしてきたのだという。
「かつては3軒の集落でしたが、25年前からポツンと一軒家に」と笑う夫婦。多くの建物があるが、母屋は築70年、かつて豆腐を作っていた頃の「豆腐小屋」やお風呂、畜産業をしていた頃のサイロや機材庫、さらには明治期に造られた蔵などがあるのだとか。
捜索隊が驚いたのは、勝手口の土間にある手押しの井戸ポンプだ。93年前に採掘した井戸で、その水を今も生活用水として使っているという。力がいる作業だが、孫たちが来た時は大人気。また、「夏は冷たい、冬はわりに冷たくない」という特徴があり、飲んだ捜索隊は「本当においしい」と感激していた。
結婚生活は58年。⻑く山奥で暮らしてきたが、「主人は怒ることがないので、今まで暮らしてこれました」と妻はほほ笑む。現在、畜産業は廃業したものの、仲良く畑の手入れをする、風景に溶け込んだ夫婦の生活が営まれていた。今後の夢は、東京の孫に会いに行くことだ。
そうした生活ぶりに、スタジオのMC・所ジョージは「感動しちゃいましたね。これといって突飛な話はないんだけど、名作でした」とコメント。パネラーの林修は「ずっと働きっぱなしの人生で、だからこそこれからが楽しいっていう」と、夫婦の人生に思いを馳せていた。