店に入った客が、自分だけに聞こえる声に誘われ商品を発見していく。そんな新しい取り組みが始まっています。
【画像】自分だけに聞こえる声が店を案内 お笑い芸人らが担当、また来たくなる
■新たな集客策「声」の活用
東京・六本木にある「文喫」。その名の通り、書店と喫茶店が一緒になった店で、ドリンクを飲みながら店にある本を読めるなど、自由に過ごすことができます。
ここで、店の担当者から渡されたイヤホンを着けると、番組ディレクターが聞いていたのは自分だけに聞こえてくる、男性の声です。
イヤホンの声
「君と話がしたいんだ。目の前の階段をのぼってきて」
「そうだ!次はこの『本棚の森』の中心に行ってくれる?足元に葉っぱが落ちているのが目印だ」
次々と書店の中を案内されていきます。ただ歩き回るだけでなく、実際に店内の商品に触れるような指示も出ます。
この技術は「音声MR」と呼ばれるもので、スマートフォンのカメラが書店内にあるバーチャル上のセンサーから位置を認識して、その場所に応じた声を出しています。
日販 鈴木風薫マネージャー
「空間そのものに音声を重ねることで、その体験をきっかけに一度、(店の)中を見ていただいて、次の来店につながるのではないかなと考えています」
声を担当するのは人気声優やお笑い芸人などで、その声を目的に来店する人も多いといいます。
40代会社員
「(ここに)初めて来ました。普段自分が選ばないようなジャンルのところを、声を聞きながらじっくり見られるのは新発見」
現在は高田馬場駅の周辺でも、ここを舞台にしたアニメ映画とコラボして、街 を探索すればキャストの声が聞けるという取り組みもあります。
導入するのに工事なども必要ないため、新たな集客策として声の活用が広がりつつあります。
鈴木マネージャー
「場所側にとっての負担がすごく少ないものになるので、お城など文化財にも有用で、商業施設や屋外でもできるので、どんどん場所を増やしていきたい」
(「グッド!モーニング」2024年10月10日放送分より)