世界の珍しいメニューが登場する外食チェーンの松屋に、22日からリトアニアにちなんだ料理が登場。駐日大使が1日店長を務めた。
【画像】リトアニア風ホワイトソースハンバーグ 大使夫人の料理で決断
■客の感想を聞き…大使「うれしい」
東京・六本木に1台の車がやってきた。降りてきたのは、駐日リトアニア大使館のオーレリウス・ジーカス特命全権大使だ。
大使には、特別な“ミッション”があった。それは大手外食チェーン「松屋」での1日店長だ。
今回、リトアニア料理を松屋がコラボレーションし、メニューを開発。全国発売となり、1日店長を務めることになった。
そのコラボメニューが「リトアニア風ホワイトソースハンバーグ」。マッシュルームの香りと、ベーコンの旨味がつまったホワイトソースが特徴だ。
ジーカス大使
「お味はどうですか?」
コラボメニューを食べた客
「ごはんが進みそうですね、これは本当に。うまみがガッツリ凝縮された、そこにニンニクの香りかな。日本人の心をつかむ味ですね」
ジーカス大使
「よかったです、うれしいです」
■大使夫人の料理で決断
バルト三国の1つ、リトアニア。人口およそ282万人(2022年時点)。美しい自然が魅力で、農業が盛んだ。「森の国」とも呼ばれ、リトアニア南部では200種類ものキノコが自生しているという。
そんなリトアニアの料理を、なぜ松屋が販売することになったのか?
松屋フーズ販売促進企画部 熊谷雄樹さん
「東京オリンピックが始まる年に(向けて)、『世界各国のいろんな料理を日本の皆さんに食べていただきたい』と」
2019年に最初に商品化されたのは、ジョージア料理の「シュクメルリ」だった。
これに、すぐに反応した人物がいた。ジョージアのレジャバ駐日大使だ。フォロワー30万人を超える大使がSNSに投稿すると、発売した「シュクメルリ鍋定食」は大きな話題を呼んだ。
これを知ったリトアニアのジーカス大使も動いた。
ジーカス大使のXから(2月)
「リトアニアの料理も、ぜひ紹介してください!」
2月にコラボメニューの実現を願いアプローチ!松屋がこの“オファー”受け、担当者がリトアニア大使館を訪ねると、ジーカス大使の妻・クリスティーナさんがリトアニア料理を振る舞ってくれた。ハンバーグにキノコのホワイトソースをかけた料理で、子どもの頃からよく食べる“おふくろの味”。
この料理をアレンジしたのが、今回のコラボメニューだ。リトアニアの味に近づけるため、試行錯誤したという。クリスティーナさんは4度の試食をし、アドバイスした。
ジーカス大使の妻・クリスティーナさん
「(Q.どんなアドバイスを?)キノコをたっぷり入れてと」
そして、商品開発の際、最も大切にしたポイントが…。
礒崎さん
「ご飯に合わなければ定食として売れません。しょうゆがちょこっと入っていたりだとか、ご飯に合うようにしています」
料理の特徴であるハーブやスパイスなどが強すぎてもご飯に合わなくなり、ちょうど良い加減を見つけるのに苦労したという。
■コラボメニューにかけた思いとは?
こうして完成したコラボメニューを毎回楽しみにしているという人がいる。
コラボメニューを食べた客
「シュクメルリにはじまってカチャトーラとか。実は海外行ったことないので、これはもう本当に海外文化に触れられるいい機会だなと思います。ゆくゆくはいろんなところに行ってみたい」
「リトアニアのことあまり知らなかったんですけども、きょう、これを食べて興味が湧きました」
そして、松屋コラボの先輩・ジョージアのレジャバ駐日大使も急きょ来店。
レジャバ大使
「いただきます。(食べて…)おいしい」
「我々NATOをもじって松屋外交=MATOというふうに言っていますけれども。“加盟国”がどんどん増えて、これが平和にもつながったらいいなと思っています」
ジーカス大使が、コラボメニューにかけた思いとは?
ジーカス大使
「リトアニアは残念ながら、まだ日本ではそこまで知られていない国なので。その食を通じてですね、国の知名度も上がるのではないかと思います」
そして、さらなる目標があるという。
ジーカス大使
「リトアニア、かなり日本にいろんな食材をですね、鶏肉などを含めて輸出しているんですけども。今度はぜひリトアニアの食材を使っていただきたいですね。やはり経済にもつながるというのは、私は期待しております」
■フード外交の効果・反響は?
フード外交は、松屋ではこれまでにも様々なメニューがあった。
2020年1月にはジョージアの「シュクメルリ鍋定食」が試験販売を経て登場した。鶏肉をガーリッククリームソースで煮込んだ郷土料理だ。
そして今年4月にはポーランドの家庭料理をアレンジした「ポーランド風ミエロニィハンバーグ定食」が登場。濃厚なキノコソースが特徴的なものだった。
今年5月にはアルゼンチン発祥でピリッとした辛さが特徴のソースを使った「チミチュリソースハンバーグ定食」を販売した。アルゼンチンの外交官が試食し、お墨付きを得たものだ。
こうしたコラボメニューの効果や反応はどうなのか、番組では2つの国の駐日大使に聞いた。
ジョージア大使館のレジャバ大使は、シュクメルリ鍋定食が人気になったことで、日本の企業からの問い合わせが増えたという。
「大使館とコラボすることができるんだ、交流しやすいんだということを知ってもらえた。ジョージアワインが飲める店や、ダンスや歌などのイベントの回数も圧倒的に増え、これによって日本からジョージアに行く人もいるなど数えきれないくらい恩恵があった」と、フード外交の予想以上の効果を語った。
ポーランド大使館のミレフスキ大使は、日本におけるポーランド料理のキャンペーンとしては最大規模だったという。「料理だけではなくポーランド文化に関心を持っていただけることを期待しています。直行便もありポーランドに行くのはとても簡単、ぜひお越しください」とメッセージを寄せた。
(「大下容子ワイド!スクランブル」2024年10月23日放送分より)