北朝鮮の精鋭部隊「暴風軍団」3000人がロシアが侵攻するウクライナに援軍として派兵されたとみられています。ウクライナ側は北朝鮮兵向けに投降を求め、朝鮮語で「温かい食事を提供する」と呼び掛ける動画を公開しました。
【画像】ウクライナは「保護し与え暖める」と北朝鮮兵に投降呼びかけ「他国で無意味に死ぬ必要はない」
■ロシアと北朝鮮 事実上の軍事同盟の復活か
ウクライナの情報機関がSNSに公開した映像には、兵士の服装をした男性たちが列を作り、順番に物資を受け取る様子が映っています。
この場所はロシア極東のセルギエフスキー訓練場とされ、「ウクライナへの派遣に備えて、北朝鮮軍がロシアの装備を身に着けている」と説明。アメリカのカービー大統領補佐官は、北朝鮮の兵士少なくとも3000人がロシアで訓練を受けているとの分析を明らかにしました。
そして、「北朝鮮の兵士は訓練を終えた後、ロシア西部に移動し、ウクライナ軍と戦闘を行う可能性があります」と述べました。
ロシア下院は24日、プーチン大統領が平壌で署名した北朝鮮との「包括的戦略パートナーシップ条約」を全会一致で批准しました。
条約には、有事の際には軍事的に支援し合うことが盛り込まれていて、事実上の軍事同盟の復活だと指摘されています。
■ロシア外務省 肯定も否定もせず
一方、韓国メディアは、北朝鮮がロシアに派兵したのは「暴風軍団」と呼ばれる部隊だと報じました。
「暴風軍団」とは、金正日総書記によって名付けられ、戦時に重要な施設を破壊したり、混乱を引き起こす任務を遂行したりするために訓練された精鋭部隊です。
北朝鮮が派遣した部隊は、既にロシア本土の激戦地であるクルスク州に到着しているといという情報もあります。
ロシア外務省のザハロワ報道官は23日、「北朝鮮には軍隊があります。それがどこにいるのか、北朝鮮政府に確認してください。彼らの軍隊です」と肯定も否定もしませんでした。
■ウクライナは動画で投降呼び掛け
警戒を強めているウクライナは、ロシアに派遣された北朝鮮兵士に向けて、朝鮮語で投降を促す動画をSNSに投稿しました。
投降すれば、広々とした施設で快適に過ごせると紹介。映像には、ベッドが置かれている様子が映し出され、「ウクライナはあなたを保護し、食事を与え、暖める」と主張。「他国で無意味に死ぬ必要はない」と呼び掛けています。
ウクライナ政府のプロジェクト
「私は生きたい」のSNSから
「収容所の戦争捕虜たちは、一日三食の食事を提供され、食事にはお肉、新鮮な野菜、パンが含まれます」
韓国政府によると、ロシアに派遣される北朝鮮軍兵士は、年末までに1万人余りになるとしています。
また、「北朝鮮は事実関係を一切公表していないが、派遣された兵士の家族らが激しく動揺している」として、「口止めや統制管理のため家族を北朝鮮国内の別の場所に移住させ、隔離している状況だ」と説明しました。
(「グッド!モーニング」2024年10月25日放送分より)