政治に求められているのは、国民一人ひとりと正面から向き合うことだとして、新内閣を“納得と共感内閣”と命名した自民党の石破茂総理大臣。しかし、27日投開票が行われた衆議院選挙では、国民からの納得と共感は得られなかったと言わざるをえない結果となりました。
【画像】選挙前247議席だった自民党 石破総理が示した勝敗ライン“与党過半数”及ばず
■与党大敗 国民厳しい審判
石破総理
「“政治とカネ”ということで、非常に厳しい審判をいただいたと」
総理就任から戦後最速で「国民の信を問う」解散を決断した石破総理。問われた国民が出したのは、厳しい答えでした。
27日午後8時すぎ、自民党は大幅に議席を減らし、立憲民主党は大きく躍進したという一報が入りました。
40代
「自民党は変わるから、変わるから、それはもう違うんじゃないかって」
「政権交代までいって新しい風を吹かせてほしい」
選挙前の議席数です。247議席と単独過半数だった自民党。石破総理が示した勝敗ラインは、自民公明、与党での過半数でしたが遠く及ばない結果となりました。
自民党 森山裕幹事長
「目標を達成することができなかったことは大変申し訳なく思っています」
政治とカネの問題を巡り、厳しい目を向けられていた自民党。追い打ちをかけたのが、選挙戦終盤に飛び出した2000万円問題です。
非公認にした候補者が代表を務める政党支部にも2000万円が支給され、党内からも反発や恨み節が出る事態となりました。
自民党・幹部
「最後は2000万円問題で空気がガラッと変わった」
自民党・中堅議員
「2000万円のインパクトが大き過ぎた。責任問題になるだろう」
結果は56議席減らし191に。党幹部からは。
自民党 小泉進次郎選対委員長
「非公認であっても支部長なので、そこにという説明は理解されないですよね。今回の対応に理解が全く得られなかった。事実だと思います」
■公明・石井啓一代表落選 大阪4議席すべて失う
自民党に吹いた大きな逆風。連立を組む公明党もこれまでにない厳しい選挙戦になりました。
先月就任したばかりの公明党の石井啓一代表は、国民民主党の鈴木義弘さんに敗れ落選。比例との重複立候補はしていません。
強固な地盤を築き「常勝関西」と呼ばれる関西でも。大阪で持っていた4議席すべてを失う結果となりました。
選挙前32あった議席は、24に減らしました。
■立憲・国民・れいわ 議席数大幅に増やす
与党から消えた64の議席。それは、野党の大躍進へつながります。
立憲民主党 野田佳彦代表
「自民党の失敗でもありましたけど、野党第1党が先頭に立って正して本当の政治改革をやってほしい思いを結集できたのではないか」
立憲民主党は、選挙前98だった議席が、148と大幅に増やしました。
大きなインパクトを見せたのは、国民民主党です。7議席から28議席と4倍に。
国民民主党 玉木雄一郎代表
「手取りを増やす経済政策を愚直に12日間訴えてきて、一定の手ごたえ、届いたと感じを得ています」
れいわ新選組は、3議席から9議席と3倍に増やしました。
れいわ新選組 山本太郎代表
「何よりも今しなければいけないのは、強い野党を作っていかないといけない」
■総理指名どうなる? 立憲「政権交代を目指す」
与党の過半数割れと大きく変わった構図。石破総理は引き続き政権を担うことができるのでしょうか。
石破総理
「何を実現するために共にやるのだと。仮に(野党と協力が)ありとすれば、きちんと話し合われる、実行されなければ投票された方に申し訳ない」
大躍進した立憲民主党は、総理指名での勝利を狙います。
野田代表
「与党の過半数割れが実現できたならば、他の野党と誠意ある対応をしながら政権交代を目指していきたいと思います。明日(28日)の午後からでも誠意ある対話は始めていきたい」
すでに各党の駆け引きは始まっています。
(「グッド!モーニング」2024年10月28日放送分より)