『探偵!ナイトスクープ』(テレビ朝日系)が10月25日に放送され、「引退したい」という町中華店主の悩みを追った。
視聴者から寄せられた依頼にもとづいて、探偵局長が部下の探偵たちを野に放ち、世のため、人のため、公序良俗・安寧秩序を守るべく、この世のあらゆる事どもを徹底的に調査追求する同番組。今回の「引退したい町中華おやじ」は、大阪府の男性(66)から寄せられた次のような依頼だ。
『私は中学生から店を手伝い、気が付けば50年以上、中華鍋を振っている町中華のオヤジです。⻑年の鍋振りで、首や肩の疲労が半端なく、整骨院と湿布は欠かせません。最近は町中華ブームとかで、よくTVや雑誌で色々なお店を拝見しますが、どの店も私より年上のオヤジさんが元気いっぱいに鍋を振っておられます。諸先輩方には疲れなどないのでしょうか?日々疲労困憊ですが、⻤嫁に「まだまだ定年はないで〜!」と言われています。ぜひとも色んな先輩方のお話を聞かせていただき、モチベーションを上げる手伝いをお願いします』
依頼者を訪れて話を聞くと、肩こりだけでなく、最近は煙が目に入るためゴーグルをつけて調理しているなど、様々な嘆きが。しかし、妻(63)は「心配は心配だけど、ゴチャゴチャ言い過ぎ。男は黙って鍋振って!」と厳しい。
そこでまず、大阪・天王寺区にある開業51年の84歳店主の元へ。体への負担を聞くと、「長年の慣れで要領わかっとるんですよ」。辞めたいと思ったことは、「ない。死ぬまでやったるわ。お客さんが『美味しい』言うて喜んでくれるのがうれしい」と話す。
ここから「町中華」の名付け親でフリーライターの下関マグロさんも交えて取材を継続。大阪・都島区にある町中華歴55年の74歳店主は、依頼者のことを「若い」と一蹴。「(やめようと思ったことは)ないですね。お客さんが元気になる姿を見るんが一番楽しい。できたらフライパン持って倒れたい」と言い切る。
さらに、下関さんの「良い店がたくさんある」という案内で、東京まで遠征することに。蒲田駅にある超人気店の85歳店主の「(やめようと思ったことは)ない。120歳までやる」との回答に、依頼者は「恐ろしすぎる世界…」と恐れおののく。
最後は東京・目黒区の店へ。ここは83歳の女性店主がワンオペで営み、下関さんいわく「“未亡人中華”というジャンルがある」。女性は夫が亡くなった後も15、16年、店を続けているそうだ。「夫がいないほうが気楽で(笑)。中には『お父さんの時より美味しくなった』とか」と冗談を交えながら、「(やめようと思ったことは)ないですね。やれるだけやろうと思う」と語った。
ここまで先輩達の話を聞いてきた依頼者は「皆さん全員『死ぬまでやる』などとおっしゃるから、ちょっとびっくりしてます。66歳で『年取ってしんどい』と言うのはお笑いですよね。中華界においてははなたれ小僧ですわ」と心を射抜かれていた。