■“過半数割れ”で駆け引き…政権交代は?
自公の過半数割れを受け、永田町では各党の駆け引きが水面下で激しくなっています。果たして政権交代の可能性は?
自民党が56議席、公明党が8議席を減らし、15年ぶりに与党の過半数割れとなった今回の衆議院選挙。この結果を受け 自民党の小泉進次郎選対委員長が辞表を提出しました。
自民党 小泉 選対委員長
「石破総裁ともお会いして、選対委員長としてこの結果の責任を受けて職を辞しますと 辞表を提出して受理していただきました」
(Q.石破総裁から慰留はあった)
「中のやり取りは控えます」
(Q.党執行部の対応として一番の反省点は)
「やはり政治は結果がすべてですので、色んな要因はあるのかもしれません。ただこれが最善だという判断を積み重ねた結果の上で負けたわけです。目標を達成できなかったわけです。そうしたら、やはり執行部の選挙を担う責任者として責任をとるのは当然のことだと思っています」
(Q.党内には選対委員長だけでなく幹事長や総裁にも責任があるとの声がある)
「選挙の責任はすべて選対委員長の責任です」
(Q.幹事長や総裁から責任をとるという言葉はなかった)
「これは選挙の結果は選対委員長の責任ですから、それはすべて私が責任をとることだと思います」
(Q.非公認候補側への2000万円支給の影響)
「選挙結果を振り返って、たらればを言えばきりがないと思います。選挙対策委員長が選挙の結果の責任をとる、これは当然のことではないでしょうか」
小泉選対委員長が辞任する一方、石破総理総裁と森山幹事長は続投する見通しです。
石破 総理大臣
「今回の厳しい結果は、自由民主党の改革姿勢に対する国民の皆様方の厳しいご叱責と受け止めております。もっと謙虚に真摯に誠実に国民と向き合えと、自由民主党は反省が足りないと、そういうようなお声をちょうだいし、ご叱責をたまわったものと、強く認識を致しております。私自身も原点に返り、厳しい党内改革を進め、なかんずく政治とカネにつきましては、さらに抜本的な改革を行ってまいります」
衆議院選挙前、自民・公明の連立与党で279あった議席は、 両党で64議席減らして215議席となり、15年ぶりに過半数を下回る結果となりました。自公だけでは過半数に18議席足りない状況です。
裏金問題で自民党から非公認となり、無所属として選挙戦を戦い当選した候補は3人いますが、当面 追加公認はしない考えです。
この状況の中、最大の関心事は来たる特別国会で行われる、総理大臣指名選挙で、誰が総理大臣に指名されるかです。
■「総理大臣指名」誰に?
過半数を得た人が総理大臣に指名されますが、自公が過半数割れした現状、石破政権を存続させるためには多数派工作が必要となります。石破総理は一部野党との連携を模索したい考えです。
石破 総理大臣
「これからの政権運営についてでございますが、議席を大きく伸ばされた党がございます。そういう党が選挙においてどのようなご主張をなさったのか、ご主張に対して寄せられた国民のご理解、共感そういうものを謙虚に受けとめ、取り入れるべきは取り入れるということにちゅうちょはあってはならないと考えているところでございます」
石破総理の側近は・・。
石破総理側近
「国民民主党あたりだよね。ただこれは相手があることだから、安定政権にさせるためにどうしたらいいかということをしっかり考えていく」
自民党関係者
「国民民主党がキャスティングボートを握っているのは間違いない。どう取り込むかだ」
その国民民主党、公示前の7議席から4倍の28議席に伸ばし、立憲民主党、日本維新の会に次ぐ野党第3党に躍進しました。
国民民主党 玉木代表
(Q.自民党側から連立の相手として国民民主党を検討したいと。協議したいと打診があったら受けますか)
「コミュニケーションは自民党に限らず立憲民主党や各党ともやっていこうと思っているので、まだ何か具体的な話があるわけではないので、何かを言う段階にはないと思っています。これまでと同じなのですが、政策本位で良い政策があれば協力するしダメなものはダメと言っていくと。以上です」
玉木代表は与党の連立参加には否定的なスタンスですが、国民民主党の関係者からはこんな声も・・
国民民主党関係者
「石破さんは野党と考え方の近かった人だから、本来の石破さんに戻ってくれたら、連携できるところもけっこうあると思うけどね。今回の選挙は石破さんのせいというか安倍派のせいなわけで、古い価値観の人たちが一掃できたわけだし」
一方、躍進した立憲民主党が目指すのは「野田総理大臣」を誕生させること・・つまり 政権交代です。
■自公過半数割れ “政権交代”はあるのか?
もし今回、議席を獲得した野党がまとまって総理大臣指名選挙で統一候補を決めれば、連立野党による政権交代が現実のものとなります。
立憲民主党 野田代表
「自公政権の存続を望んでいない人たち、不信任を出した政党、こういうところとは合意点を探せることは十分あり得ると思いますので、誠意ある対応を明日からでも始められればなと思います。自分がまず手を挙げてご協力をお願いするというのが基本だろうと思います」
立憲民主党幹部
「立憲、維新、国民、共産の野党4党で内閣不信任案を出しているので、政治とカネの問題で結束して総理大臣指名選挙では『野田佳彦』と書いてもらいたい。ただ相手のあることだから『一緒にやりましょう』と言い続けるしかない」