衆議院選挙で15年ぶりに与党の過半数割れという、厳しい国民の審判を受けた自民党では、党内から執行部に責任を取るべきだという声が出ています。
【画像】小泉選対委員長は辞任 大敗自民の引責はどこまで広がるのか
■政権維持へ 連立の可能性は?
衆院選の大敗から一夜明け、慌ただしい動きを見せた自民党本部で28日、臨時の役員会が開かれ、今後の対応について話し合われました。
午後になり、石破茂総理大臣は会見に臨み、反省の弁を述べ、党内改革を訴えました。
石破総理
「わが自由民主党は、国民の皆様方から極めて厳しい審判を頂戴しました。わが自由民主党、そしてともに連立政権を構成している友党・公明党、有為な方々を多く失ったことは痛恨の極み。これを真摯に厳粛に受け止め、わが自由民主党は心底から反省し、生まれ変わっていかなければなりません」
「私自身も原点に返り、厳しい党内改革を進め、なかんずく政治と金については、さらに抜本的な改革を行う。党派を超えた議論を行い、速やかに実現を図っていく必要がある」
具体的には「政策活動費の廃止や旧文書通信交通滞在費の使途公開などを、党派を超えて実現する」と述べました。
今回の選挙で自民党は56議席、公明党は8議席を失い、15年ぶりに過半数割れした自公連立政権。政権を維持するため、他の党と連立を組むことはあるのでしょうか。
石破総理
「これから先、どのような政権の枠組みを考えるか。今、この時点で連立ということを想定しているわけではない」
自身の進退については、続投する意向を示しました。
石破総理
「国政というのは、一時たりとも停滞が許されない。このような厳しい声を踏まえながら、私どもとしてこの国政を確かなものとして進めていく、国民の批判にきちんと厳粛に適切に答えながら、現下の厳しい課題に取り組んでいき、国民生活を守る、日本国を守る職責を果たしてまいりたい」
■小泉氏辞任 石破総理に責任問う声も
一方、小泉進次郎氏は臨時役員会後、選対委員長を辞任しました。
小泉氏
「選対委員長が選挙の結果の責任を取り、辞表を提出し、総裁に受理をしていただいた。これが事実です」
「(Q.党内から幹事長や総裁にも責任があるのではないかとの声も上がっているが?)選挙の責任はすべて選対委員長の責任です」
「(Q.幹事長や総裁から『責任を取る』といった言葉はなかったか?)選挙の結果は選対委員長の責任ですから、すべて私が責任を取ることだと思います」
しかし、自民党内からは小泉氏だけでなく、石破総理や森山幹事長の責任を問う声が上がっています。
厳しい選挙戦を強いられた地方の自民党県連からも、石破総理の責任を追及する声が上がっています。
自民党山口県連 友田有幹事長
「総裁は出処進退を含めて、しっかり考えるべき。総裁の責任だったと思っています」
山口は3つの小選挙区でいずれも自民党が勝利しましたが、「非公認候補が代表を務める党支部への2000万円給付が苦戦の要因になった」として、総理に反省を求めました。
■森山幹事長を辞めさせられない事情
惨敗の決定打になったとも言える、選挙戦終盤での2000万円の給付問題。当事者の森山裕幹事長は続投の意向です。
森山幹事長
「(Q.進退については?)大変難しい時期ですので、できるだけ国政が混乱することなく、補正予算、あるいは来年度予算の編成に向けて微力を尽くしていきたい」
自民党 比例復活議員関係者
「小泉選対委員長が責任を取って辞めたのは潔かった。本当は総裁と幹事長も詰め腹を切るべきとは思う。ただ現実的に連立協議をする人がいなくなるということだから、それも難しい」
自民党 落選議員関係者
「森山さんは辞めるべきだ。最後の最後に負けたのは森山さんのせいだ」
責任を問う声が上がっている森山幹事長。しかし、政治ジャーナリストの田崎史郎氏は「石破総理には辞めさせられない事情がある」と話します。
田崎氏
「森山幹事長は各党、党内での根回し、そういうことをやれる。石破さんは政権運営で森山さんを非常に頼りにしている」
歴代最長となる4年にわたって、野党とのパイプ役である国対委員長を務めてきた森山幹事長。過半数割れとなり、野党との交渉の重要性が増すなか、石破総理にとっては欠かせない存在だといいます。
田崎氏
「石破さんは誰よりも森山さんを信頼している状況なので、森山さんを使い続けるだろうと思います」
政権を維持できるかどうかも不透明な状況にまで追い込まれた石破総理は、今後については次のように述べました。
石破総理
「ご批判・ご叱責というものを謙虚に厳粛に受け止めながら、深く反省をしながら、本当に選挙の結果を受け止めて、自民党って変わったねと。目に見えて変わったというふうに実感をしていただくことが、肝要なものだというふうに私は考えている」
(「グッド!モーニング」2024年10月29日放送分より)