ウクライナ侵攻を機に海外企業の撤退が相次いだロシアで今、日本からの輸入品のように見せかけた商品が増加しています。
【画像】漢字で「純度」と書かれた洗剤 日本の大手アパレルにそっくり店も
■スーパーに「エボシビール」 高品質うたう?
ロシアの首都モスクワ市内のスーパーマーケット。棚に並んだ缶ビールのラベルには、兜(かぶと)や鎧(よろい)を身に着けた武将のようなイラストの下に、アルファベットで「EBOSHI」と書かれています。日本の有名ブランドのビールに酷似していますが…。
商品名の下には日本語で「最初のレシピ」と書かれ、「ジャパニーズ・スタイル・ビアー」をうたっています。
他にも、漢字で「純度」と書かれた洗濯用洗剤や「高山」というブランドのエンジンオイルまで。パッケージや裏面には、少し不自然な日本語が並んでいます。
なぜ、これほどまで日本を連想させる商品が多く販売されているのでしょうか。ロシア経済に詳しい専門家はこう話します。
北海道大学 服部倫卓教授
「今、ロシアは国際的な経済制裁の中で、いろいろ商品の選択肢が限られる中で、日本の物の方が上質であると考える人は多い。日本風のブランドイメージを打ち出して、高品質であるというイメージになる」
■日本の大手アパレルブランドの跡地には…
日本からの輸入が減少する中でも、高い人気を誇る「日本ブランド」。日本製をかたる商品は、食料品や日用品にとどまりません。
「YAMAGUCHI」という看板が掲げられた店には、さまざまな高級マッサージ機が販売されていて、店員は日本の会社の製品だと主張します。
さらに、日本をアピールしたいのでしょうか。店内には、日本人形も飾られています。
「ジャスト・クローズ」というアパレルブランド。ウクライナ侵攻前まで、日本の大手アパレルブランドが入っていましたが、ロゴや店内の雰囲気がそっくりです。
服部教授
「戦争にもかかわらず、一般国民の生活は影響を受けていないというのが、プーチン政権の基本的なスタンス。その神話を守りたいということはあると思います」
(「グッド!モーニング」2024年10月30日放送分より)