斎藤元彦氏の失職に伴う兵庫県知事選挙が告示され、7人が立候補を届け出ました。混乱が続く県政の立て直しが最大の争点です。
【画像】涙の会見から一転…四面楚歌ではない? 3分裂した兵庫自民の勢力図 背景に西村康稔氏との強い関係
■「広い兵庫県で自民党3分裂」関係者
問われるのは、知事としての資質です。神戸市中央区で先月31日に行われた前兵庫県知事・斎藤元彦氏の出陣式にはおよそ300人が集まりました。
斎藤氏
「反省すべきは反省し、改めるべきことは改めていく。自分を見つめ直し、いい県政を必ず実現させていく」
パワハラ疑惑で内部告発されたことへの対応に問題があったとして、議会から全会一致で不信任を突きつけられた斎藤氏。9月の会見で斎藤氏は「そこは…あの、大変申し訳ないなと」と述べ、涙も浮かべていました。
先月31日、斎藤氏は「いろんな政党、政治家が斎藤元彦に(知事を)させるわけにはいかない、そんな強い声もいただいています。私は絶対それには負けるわけにはいかないんです」と力を込めました。
しかし、四面楚歌(しめんそか)という状況でもないようです。
今回、独自の候補を擁立できず自主投票となった自民党。とはいえ、つい1カ月前に県議会で斎藤氏をクビにした経緯があるため、自民党・兵庫県議団幹部は「斎藤氏に投票しないことは暗黙の了解だ」と述べています。
一方、自民党・兵庫県内市議からは「特定の候補の支援を禁止する決定は、自由を重んじる党のあり方から大きく逸脱する」との声も上がっています。
複数の関係者を取材すると、広い兵庫県で自民党が3つに分裂している状況が浮かび上がりました。
自民党関係者
「県議会議員の一部は稲村氏の支援に回っている。神戸市の市議は清水氏を応援している。そして県の南西部では斎藤氏を推す声が強い」
なぜ南西部で斎藤氏が支持されているのでしょうか。考えられるのは、裏金問題で公認を得られなかったにもかかわらず、衆院選に当選した西村康稔氏の存在です。
3年前、西村氏はSNSで「私たち自民党の国会議員が推薦し応援して斎藤知事を誕生させたと自負のもと、知事と連携し、兵庫県の課題について一つ一つ対応してまいります」と投稿しました。
斎藤氏を全面的に支援し、知事に押し上げた西村氏が地盤とし、強い影響力を持っているのが南西部なのです。
自民党関係者
「1カ月前は世論を気にして不信任に反対できずにいた人もいたようだが、いざ知事選となると『斎藤氏しか推せない』という人が少なくない」
■選挙の争点は?7人が立候補
立候補したのは全部で7人。「斎藤県政への評価」「停滞する県政の立て直し」などを争点に掲げています。
前参院議員 清水貴之氏
「大好きな兵庫県が悪いニュースとして全国的に広まり、残念で悔しくてならない。愛する、もっともっと力のある兵庫県をいい形で全国に広めていきたい」
前尼崎市長 稲村和美氏
「兵庫県がかつてない混乱と危機の中にあります。このままにしておくわけにはいきません。皆様とともに今こそ、今度こそ新しい兵庫をつくりたい」
医師 大沢芳清氏(共産党推薦)
「県民にとって何が必要か考え、自由に話し合える組織作りが今、県庁に求められてます。混乱を正して県政を正常化します」
会社社長の福本繁幸氏は、若者と高齢者が取り残されないための政策の必要性を訴えます。
政治団体党首の立花孝志氏は「斎藤前知事が返り咲き、引き続き県政を担うことが健全」と主張します。
会社社長の木島洋嗣氏は、兵庫県と大阪府の合併による関西州構想などを掲げます。
(「グッド!モーニング」2024年11月1日放送分より)