11月3日、DeNAの本拠地である横浜スタジアムで行われたSMBC日本シリーズ第6戦。
【画像】プロ野球 DeNAが26年ぶりの日本一 ~下剋上を果たした日本シリーズ~
DeNAが11対2でソフトバンクを破り、対戦成績4勝2敗で26年ぶりの日本一に輝いた。
リーグ戦3位のチームが日本一に輝いたのは、2010年のロッテ以来に次いで2回目となった。
2017 年以来 7 年ぶりの顔合わせとなった日本シリーズを振り返る。
■第1戦 ソフトバンク・有原航平が投げて打っての活躍
10月26日、横浜スタジアムでSMBC日本シリーズ2024第1戦が行われた。
セ・リーグ3位からCSを勝ち上がり、下克上を狙うDeNAはジャクソン投手が先発。
独走で4年ぶりにパ・リーグを制したソフトバンクは有原航平投手が先発。
2回表、ソフトバンクの栗原陵矢選手がフォアボール、牧原大成選手が2ベースヒットで出塁。
2アウト2塁3塁の場面で打席には甲斐拓也選手が立つが、次の打者が有原投手のため、DeNAは申告敬遠をして、有原投手との勝負を選ぶ。
しかし、有原投手が153キロのストレートを逆らわずに右方向へ打ち返し、一二塁間を破る2点タイムリーヒットでソフトバンクが先制する。
自らのバットで援護点を得た有原投手は、多彩な変化球でDeNA打線を7回無失点に抑える。
8回裏、ソフトバンクが有原投手から継投でヘルナンデス投手をマウンドに送る。
ヘルナンデス投手もDeNAの桑原将志選手にヒットを許すも打者3人から三振を奪い、無失点で役割を全うする。
すると、9回表にソフトバンクが今宮健太選手、栗原選手のタイムリーヒットで3点を追加して、0対5とリードを広げる。
9回裏、ソフトバンクはマウンドに守護神のオスナ投手を送る。
すると、このままでは終われないDeNAは反撃を開始する。
先頭打者のオースティン選手が2ベースヒットで出塁すると、梶原昂希選手がセンターへのタイムリーヒットを放ち、1点を返す。
さらに、森敬斗選手のタイムリーヒットとオスナ選手の悪送球で2点を追加し、点差を2点に縮める。
なお、2アウト1塁3塁とホームランが出れば逆転の場面で打席には牧秀悟選手が打席に入る。
しかし、反撃はここまで。
オスナ投手がセンターフライで牧選手を打ち取り、3対5でソフトバンクが勝利した。
最終回にドタバタしたが、有原投手の投打にわたる活躍でソフトバンクが白星スタートを決めた。
■第2戦 初の日本シリーズで「どすこーい!」
10月27日、横浜スタジアムでSMBC日本シリーズ2024第2戦が行われた。
初戦を落としたDeNAは大貫晋一投手が先発。
対するソフトバンクは、今季先発に転向して最優秀防御率のタイトルを獲得したモイネロ投手が先発。
1回表、2アウト1塁の場面でソフトバンクの4番・山川穂高選手に打席が回る。
大貫投手が4球目に投じたカーブを、山川選手がレフトスタンドへ飛び込む先制2ランホームランを放った。
山川選手の日本シリーズ初ホームランで、前日に続きソフトバンクが先制する。
さらに、3回表にも牧原選手のタイムリーヒットを打ち、DeNAの先発・大貫投手をマウンドから降ろす。
勢いは止まらず、リリーフで登板した佐々木千隼投手からも甲斐選手が犠牲フライを打ち、点差を5点に広げる。
投げては先発・モイネロ投手がDeNA打線を4回1安打無失点に抑える。
反撃に出たいDeNAは5回裏にモイネロ投手を攻め立てる。
1アウト2塁3塁の場面で桑原選手が左中間を破るタイムリー2ベースを放ち、モイネロ投手から2点を奪う。
さらに7回裏、連打でモイネロ投手をマウンドから降ろし、代わってマウンドに立った尾形崇斗投手から牧選手のタイムリー2ベースで1点を追加する。
3対6で迎えた試合終盤、ソフトバンクは前日に続き8回裏にヘルナンデス投手、9回裏にオスナ投手をマウンドに送る。
前日に3失点したオスナ投手だったが、この日は三者凡退で抑え、3対6でソフトバンクが勝利。
ソフトバンクが2連勝を飾った。
■第3戦 エース・東克樹の要所を抑え DeNAが初勝利
10月29日、舞台をみずほPayPayドームに移しSMBC日本シリーズ2024第3戦が行われた。
ソフトバンクは今季自身最多の9勝をあげたスチュワート・ジュニア投手が先発。
一方、2連敗と苦しい展開が続くDeNAはエース・東克樹投手が先発。
1回表、DeNAの先頭打者・桑原選手がいきなり2ベースヒットを打ち、先制のチャンスを作る。
続く梶原選手のバントでランナーを送り、1アウト3塁の場面で牧選手がショートゴロを打ち、その間にランナーがホームにかえりDeNAが1点を先制する。
しかし、直後の1回裏、東投手が2アウト1塁3塁との場面でソフトバンクの5番・近藤健介選手にタイムリー2ベース打たれ、すぐに追いつかれてしまう。
それでも、DeNAは5回表に桑原選手が、この回からマウンドに上がった大津亮介投手から、ホームランテラスに飛び込む勝ち越しソロホームランを放つ。
さらに、ノーアウト満塁の場面で筒香嘉智選手の犠牲フライで追加点をあげ、リードを2点とする。
守備では2回以降、東投手がランナーを出しながらも、粘りのピッチングで7回1失点の好投でソフトバンク打線を抑える。
8回表に東投手とバッテリーを組んだ戸柱恭孝選手がタイムリー2ベースを打ち、DeNAが1点追加してさらにリードを広げる。
4対1でDeNAがリードで迎えた9回裏、DeNAは今季29セーブを挙げた守護神・森原康平投手にマウンドを託す。
守護神が3点差を守り切ってDeNAが4対1で勝利。
ソフトバンクは2018年第3戦から続く日本シリーズ連勝記録が14でストップした。
■第4戦 首位打者獲得の助っ人が先制弾 DeNAが連勝
10月30日、SMBC日本シリーズ2024第4戦が行われた。
前日、日本シリーズの連勝記録がストップしたソフトバンクは石川柊太投手が先発。
対する前日に初勝利をあげたDeNAは、助っ人外国人のケイ投手が先発。
両先発が好投し、3回までスコアボードに0が並ぶ。
試合が動いたのは4回表、1アウトランナーなしの場面で今季首位打者を獲得したDeNAの4番・オースティン選手が、甘く入ったストレートを捉える。
打球はライトホームランテラスに飛び込み、先制のソロホームランとなった。
援護点を貰ったDeNAの先発・ケイ投手は、強力ソフトバンク打線を7回4安打7奪三振無失点と封じる。
0対1で迎えた7回表、DeNAの先頭打者・宮崎敏郎選手がソロホームランを放つと、桑原選手やオースティン選手のタイムリーヒットも飛び出し、0対5とリードを広げた。
その後、DeNAは8回裏に坂本裕哉投手、9回裏にウェンデルケン投手がリリーフし、ソフトバンクに得点を与えず、0対5でDeNAが勝利した。
これで対戦成績を2勝2敗の五分となった。
■第5戦 帰ってきた男が先制打、完封リレーでDeNAが王手
10月31日、みずほPayPayドームでSMBC日本シリーズ2024第5戦が行われた。
前日、完封リレーで敗戦したソフトバンクは大関友久投手が先発。
一方、2連勝して対戦成績を五分にしたDeNAはジャクソン投手が先発。
0対0で迎えた3回表、2アウト1塁2塁でDeNAの筒香選手が大関投手のフォークをすくい上げて、タイムリーヒットを放ち、DeNAが3試合連続で先制する。
続く4回表に、この回からマウンドに上がった前田純投手に対して、内野安打でノーアウト1塁2塁のチャンスを作る。
このチャンスの場面で打席に入った牧選手が、レフトスタンドに吸い込まれる3ランホームランを打ち、追加点を奪う。
この日本シリーズで調子が上がらなかった牧選手に待望の一発が出た。
投げては中4日で先発のマウンドに上がったジャクソン投手が、ソフトバンク打線を7回3安打無失点でシャットアウト。
DeNAは9回表、押し出しのデッドボールと梶原選手のタイムリーヒットで3点を追加した。
0対7で迎えた9回裏、DeNAの中川颯投手が三者凡退で抑え、DeNAが勝利した。
これで対戦成績が3勝2敗でDeNAが日本一に王手をかけた。
勝ったDeNAは、先発全員安打、2試合連続の完封リレーと投打がかみ合った。
敗れたソフトバンクは26イニング連続無得点となった。
■第6戦 DeNAが26年ぶりの日本一 “下剋上”を果たす
雨天のため順延されたSMBC日本シリーズ2024第6戦は、11月3日横浜スタジアムで行われた。
日本一に王手をかけたDeNAは大貫投手が先発。
一方、もう負けが許されないソフトバンクは有原投手が先発。
1回表、ソフトバンクは今宮選手がツーベースヒットで出塁するも、得点を奪うことができず、日本シリーズのワースト記録を更新する27イニング連続無得点となった。
対するDeNAは2回裏、筒香選手が低めのチェンジアップを捉えて、先制のソロホームランを放った。
さらに、2アウト2塁3塁のチャンスで桑原選手のタイムリーヒットで2点を追加、3回裏にも 押し出しのフォアボールで4対0とした。
このままでは終われないソフトバンクは、4回表に先頭打者の今宮選手がヒットで出塁。
続く柳田選手がストレートを捉えて、センターバックスクリーンへ飛び込むツーランホームランを打ち、2点を返した。
ソフトバンクは30イニングぶりの得点となった。
しかし、DeNA打線がさらにリードを広げる。
5回裏、この回からマウンドに上がったスチュワート投手から1アウト満塁のチャンスを作る。
好調の桑原選手が押し出しのフォアボールで1点をもぎ取ると、梶原選手がタイムリーヒット、オースティン選手が押し出しのデッドボール、さらに筒香選手が走者一掃のタイムリーツーベースヒットで6点を追加。
まだまだ打線は止まらず、宮崎選手にもタイムリーツーベースが出て、この回打者一巡の攻撃で7点を挙げ、11対2と一気にソフトバンクを突き放した。
試合は11対2の最終回に進み、9回表のマウンドにはDeNAの守護神・森原康平投手がマウンドにあがる。
危なげなくツーアウトまで漕ぎ付けると、この試合ホームランを打っている柳田選手を迎える。
カウント1ボール2ストライクから森原投手がフォークボールで柳田投手を空振り三振に打ち取り、11対2で試合終了。
DeNAが対戦成績4勝2敗で、前身の大洋、横浜時代を含めて3回目26年ぶりの日本一に輝いた。
リーグ戦3位のチームが日本一に輝いたのは、2010年のロッテ以来に次いで2回目で、14年ぶりの下剋上を果たした。
試合終了後、三浦大輔監督が胴上げで横浜の夜空を5度舞った。
日本シリーズMVPには打率.444、シリーズ新記録の5試合連続打点をあげた桑原将志選手が選ばれた。
※宮崎敏郎選手の「崎」は、正式には「立つ崎(たつさき)」