和歌山県田辺市の山では大量のマツタケが生えています。マツタケは去年不作でしたが、一転して今年は大豊作で、11月になっても収穫できているということです。
【画像】「虫食い少なく、いい状態」かさ部分が25センチの巨大マツタケも
■わずか30分で18本のマツタケが…
田辺市の山中には、驚きの光景が広がっていました。
マツタケ狩り歴22年のベテラン・曽我部一さんに同行し、険しい山の斜面を下っていくと…。
曽我部さん
「とれごろやの、きれいなマツタケ」
かさが大きく開いた、形のいいマツタケがありました。
曽我部さん
「いいでしょ。立派です」
すぐ近くにも…。
曽我部さん
「それから、ほら。すごいでしょ」
マツタケが4本、折り重なるように生えています。
曽我部さん
「ここは素晴らしい畑(松茸が生えるスポット)ですね」
「(Q.(マツタケは)どういう所に多くできる?)松の根が地表近くにある場所に出やすい」
松の根っこが地面にあらわになっている場所に、マツタケが生えていることが多いといいます。
曽我部さん
「(Q.こんな隠れた所にも生えるんですね)(マツタケが)ちょくちょくあるんですよ。これで220~230グラム」
付近で収穫を続けると、わずか30分で18本のマツタケが採れました。今年はなぜこれだけたくさんのマツタケが採れるのでしょうか?
曽我部さん
「雨よく降っています。去年は本当に日照りが続いたんですけど、今年は(雨が)いい間隔で降ってくれて」
夏場から雨が多かったことや、生育が進む10月に朝晩の寒暖差が大きかったことが要因だといいます。
目に見えるマツタケを採り終えた後、マツタケ狩り名人の曽我部さんが、熟練の技を披露します。
曽我部さん
「匂ったよ。どこかにあるかもしれませんね。だいたいにおいすると、そこから2、3メートルくらいにあることが多い」
マツタケのにおいを頼りに、周囲を探してみると… 。
曽我部さん
「あった。ありました。開いたにおいのも元がありました。おー、二本ある」
においがした場所から2メートル程の所に2本のマツタケがありました。
曽我部さん
「におい嗅いでみてください。いい香りでしょ」
さらに、こんな難しい場所にも、逆さまに生えたマツタケがありました。
マツタケ狩りのメンバー
「天井から逆さに、上から生えてる感じ」
曽我部さん
「これはどうよ。下に軸ないやん」
周りの土を丁寧に削っていき…。
マツタケ狩り仲間
「無事救出できた」
曽我部さん
「救出って、助けてくれって頼んでないわって言われるわ(笑)」
■特徴は「虫食い少なく、いい状態」
この日は高校の同級生や、その家族など23人でマツタケ狩りにきた曽我部さんのグループ。お昼休憩でメンバーが集まってくると、出るわ、出るわの“マツタケ祭り”。
続々とサイズの大きいマツタケが集められていきます。なかには、かさの部分が25センチほどもある巨大マツタケ。子どもの顔と並べてみると「全然でかい!」と声が上がります。
大豊作の今年のマツタケ。例年であれば10月いっぱいで収穫が終わるといいますが、11月になっても気温が下がらず、今月中旬まで収穫できるという異例の事態に…。
曽我部さん
「(Q.この時期にこれだけ残っているっていうのは?)これは珍しいです。やっぱり気温でしょうね、暖かくて。(時期が)ずれている」
マツタケ狩りは3時間ほどで終了。総勢23人で集めたマツタケは、なんと170本になりました。
数の多さだけでなく、今年はこんな特徴もあります。
曽我部さん
「虫食いが少なくて、いい状態のマツタケが多いです。本数だけじゃなくて、重さで考えても豊作のほうだと思います」
その後、採れたてのマツタケを付近の直売所へ運びます。そこには奈良や大阪など近隣から来た人たちが、今か今かと、マツタケが店頭に並ぶのを待ちわびていました。
直売所に来た客
「(Q.きょうはどちらから?)大阪です。旬やし、ぎょうさん採れてるということで」
販売が始まると飛ぶように売れていき、15分で50本のマツタケが売れました。
マツタケを購入した人
「今年豊作やから買いたくなるな。やっぱり、値が安いから」
「いいでしょ、なかなか。上手に買ったから、これマツタケご飯に」
■甘柿は「ほぼ全滅」 収入は例年の3割に…
豊作の秋の味覚がある一方で…。
桑村農園 桑村初真さん
「この柿の木なんて、一つも収穫をしてないですけど、1個ももうなってない状況ですね」
兵庫県東部の丹波市で柿を栽培する農園では、これまで経験したことがないほどの大不作に見舞われました。
桑村さん
「全体でいうと20トンとかいう収穫があるんですけど、例年からいえばもう3分の1」
農園ではおよそ1300本の柿の木を栽培。縦長の独特な形と糖度の高さが特徴の「西条柿」などを求め、県外から訪れる人もいるほど人気だといいます。今まさに収穫の最盛期のはずが…。
桑村さん
「一本の木に少なくとも100個。多かったら200個とかはなるんですけれど、もう夏の段階でほとんど落ちてしまって、秋にはもうこんな状態で葉っぱだけになってますね」
収穫前に実が落ちてしまった原因は、カメムシです。
桑村さん
「こんな感じで、黒く、ちょっとへこんだ感じになっているのが、すべてカメムシが夏場に吸ったあとですね」
今年は梅雨ごろからカメムシが大量発生。果汁を吸われることで実が弱り、次々と地面に落ちたといいます。
桑村さん
「カメムシに吸われた実が猛暑と合わせてダブルで被害を受けて、柔らかくなって落ちてしまいましたね」
カメムシは本来、冬を越すことはありませんが、温暖化の影響で去年に越冬するカメムシが多く、今年の大量発生につながったといいます。
特に甘みの強い甘柿にカメムシが群がり、ほぼ全滅という事態になりました。
桑村さん
「この畑は甘柿ばっかりなってて200本ぐらいあるけど、1円もお金はここは上がってないですね。親の代から40年ほど柿を栽培していて、こんなひどかった年はなかったので、初めてのことです」
大きな損害を受け、収入は例年の3割ほどに落ち込むといいます。異常気象が続くなかで、来年に向けさらなる心配も出ています。
桑村さん
「虫の状況が来年以降も続くのかはちょっとわからないですけど、今年のような猛暑が来年はないことを祈るばかりですね」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年11月6日放送分より)