年収103万円の壁の見直しに向けて議論が本格化しました。引き上げの幅が焦点となるなか、水面下では各党の駆け引きが活発になっています。
【画像】「政策の実現に、全力で取り組む」意気込みを語る国民民主・玉木代表 強気の姿勢を崩さず
■満額178万円を目指す国民民主 専門家「140万あたりが落とし所」
衆議院で与党が過半数割れするなか、国民民主党の玉木雄一郎代表は「今までは、自民党・公明党が決めれば数の力ですべて押し切ることができたが、できなくなった。私たちに託してくれた国民の思いを実現できる政策の実現に、全力で取り組んでいきたい」と政策の実現に向けて意気込みを語りました。
8日の自民党との政策協議では、「年収103万円の壁」の見直しや、ガソリン代や電気代、ガス代などの引き下げ、さらには能登半島の復興対策などを求めました。
国民民主党 浜口誠政調会長
「我々は178万円への引き上げを今回も改めてお示しした。税制改正の議論の中でということで、それ以上の言及はなかった」
自民党 小野寺五典政調会長
「きょうは意見を聞かせていただいた」
課税最低ラインを178万円まで引き上げることを主張し続けている国民民主。強気の姿勢を崩しません。
国民民主党 中堅議員
「これは交渉なんだから、自民党に最初から全部手の内を見せる必要はない。今はとにかく高いボールを投げ続けることだ」
一方、水面下では「落とし所」の探り合いが始まっていると、専門家は指摘します。
政治ジャーナリスト 田崎史郎氏
「公明党の方が言っていたんですが、自公・国民で折り合えるところを探していくようになるだろうと。130万、140万。そのあたりが落とし所かなと言われています」
■公明は国民民主との連携に前向き
午後には、公明党と国民民主党の政務調査会長が会談。両党とも、手ごたえを感じたようです。
浜口政調会長
「(公明党が)一番前向きだったのは、災害対策案です。103万円の壁とエネルギー対策についても、否定的なことはあんまりなかった」
公明の岡本三成政調会長からは、笑みがこぼれました。
岡本政調会長
「(目指す)ゴールが一緒ですから、手段が若干違うようなことがあっても十分折り合えると思っている。非常に共感できることが多かった」
なぜ、公明は国民民主との連携にこれほど前向きなのでしょうか。
田崎氏
「公明党だけで自民党に対抗していると、公明党の意見があまり入れられなかったという不満がある。公明党としてはこれを機に国民民主党と話をまとめて、両党で自民党にぶつかっていけば、自分たちの要求が通しやすくなるのではないかという作戦なんです」
公明は、能登半島の復興対策として、地震直後から「補正予算の検討」を訴えましたが、自民の了解が得られなかったという経緯があります。
田崎氏
「公明党だけが要求したのでは、自民党の壁を突破できなかった。公明党が国民民主党と組めば、自民党の壁を突破できるかもしれない。そこに可能性を見いだしているのだと思う」
(「グッド!モーニング」2024年11月9日放送分より)