厚生労働省が撤廃する方向で調整に入った、いわゆる「106万円の壁」。手取りの減少につながるケースもあり、パートで働く人たちからは不満の声が上がっています。
【画像】厚生労働省「106万円の壁」見直しへ それでも手取り減少の懸念
■週20時間超で保険加入案に懸念の声も
パート勤務(50代) 広島在住
「希望としてはできるだけ稼ぎたいけど、ちょっとかなわないみたい」
「自分の思うように働きたい」。それを阻むとされているのが年収の壁です。
国民民主党 玉木雄一郎 代表(6日)
「103万円を178万円に引き上げる話など、経済対策全般を申し入れし、補正で前倒しできるものはやってほしいと求めたい」
手取りを増やすため、国民民主党が11日に行われる石破茂総理大臣との党首会談で要請するなど、政策の大きなキーワードとなっています。
こうしたなか、106万円の壁を巡って先週、大きな動きがありました。
厚生労働省 福岡資麿大臣
「適用拡大につきましては、関係者による懇談会でも議論を行っておりまして」
明らかになったのは、厚生労働省による社会保険料の壁の見直しです。
これはパート労働者が年収106万円または130万円を超えて働くと(※企業規模など条件あり)、厚生年金保険に加入することになり、老後の年金が増える一方、手取りが減ることから働き控えが生まれている問題です。
ただ、今回明らかになった厚労省の方針は、今の手取りを増やすことにつながるとは言い難いものとなっていました。
変えようとしているのは加入する要件です。106万円という年収の要件を撤廃し、週に20時間以上勤務すると加入を提起しています。
街では、手取りが減ることを懸念する声が聞かれました。
派遣勤務(40代)
「(年金が)もらえるか分からないなと思っているので。今稼げる方がいいかなと思っていますね」
パート勤務(50代)
「手取りが少ないのが、みんな困っているから。考えてほしいなと思いますね」
■週5勤務希望も働き控え指示 パートの声
保険料の負担を巡っては、こんな事態も起きていました。
パート勤務(50代) 広島在住
「社会保険料を払いたくないみたいな理由で、簡単に言えば、お休みを増やして、月々の給料が約8万円を超えないようにする措置がされるようになった」
勤め先から指示されたのは働き控えです。厚生年金保険は労働者と企業が半分ずつ負担することになっているためです。
女性は先月のシフトで週5日の勤務を希望していますが、勤務が付いているのは週に3日から4日。106万円以上にならないようにするため、週1回は勤め先から休みを付けられていました。
パート勤務(50代) 広島在住
「しっかりしている企業だと思っていたので。『そういうことするんだ』っていうのと、『そういうことができるんだ』ってことも驚きましたね」
年収ではなく労働時間のみを要件とする厚生年金保険の見直し案。1週間の労働時間を20時間までに抑える新たな壁が増える可能性もあります。
(「グッド!モーニング」2024年11月11日放送分より)