7日、藤井聡太七冠(22)の半生を初めて描いた絵本が発売され、大きな話題となっている。藤井七冠だけでなく今、現代の偉人を扱った絵本が増えている傾向にあるようだ。その理由とは?
【画像】「野球しようぜ!大谷翔平ものがたり」発売から1年経たずに異例の13万部を突破
■将棋の海外普及目指し…藤井七冠が優勝者と対局
藤井七冠
「世界各地から、この千駄ケ谷の将棋会館に集まっていただき、うれしく思いました」
9日、新しくなった将棋会館で初イベントとなる「国際将棋フォーラム」が開催された。
将棋の海外への普及を目指すこのイベントでは、45の国と地域から51人が参加する将棋トーナメントが実施され、優勝した中国の許諾さんと藤井七冠の記念対局も行われた。
対局は、藤井七冠が「角」を持たない「角落ち」で行われたが、藤井七冠が貫禄を見せ勝利を飾った。
藤井七冠
「それぞれの国で、これからも将棋を楽しんで頂ければ本当にうれしく思います」
■大活躍の軌跡が絵本に「藤井聡太ものがたり」
海外プレーヤーの間でも人気だという藤井七冠、そんな藤井七冠の“ある本”が今、話題となっている。
それが、7日に発売された絵本「ぼくは将棋で世界えがく 藤井聡太ものがたり」だ。
幼少期に、おじいさんから将棋を教わり、その面白さにのめり込む様子や、最年少でプロ棋士となり、数々の記録を達成する歩みが色彩豊かに描かれている。
発売前から書店からの問い合わせが多く、すでに重版が決定しているという。
3万冊以上の絵本を扱う店には、この週末、多くの親子連れが藤井七冠の絵本を手に取っていた。
来店客
「絵本は、子どもが好きなので。興味を持つきっかけになるので、(絵本は)すごく身近なものでいいと思います」
来店客
「こういう世界があるんだよというような、知ってもらうきっかけとして、絵本を見せられるのは、いいかなとは思いますね」
藤井七冠の話をもとに作られた絵本。その内容について、本人は次のように話している。
藤井七冠
「なにか夢中になれることを見つけることが、集中するための一番の近道なのだと思います。みなさんにとって、夢中になれるものを見つけてくださいね」
■大谷翔平も…絵本の題材になる理由
藤井七冠の絵本が話題となっていますが、いわゆる現代の偉人といえば、今をときめく“あの人”の絵本も注目されている。
それが、ドジャースの大谷翔平選手の半生を描いた「野球しようぜ!大谷翔平ものがたり」だ。
今年3月に発売されたこの絵本。出版社の担当者によると「幅広い層の方々が購入している」という。
一般的に数万部売れればベストセラーと呼ばれる時代だが、販売から1年経たずに大谷選手の絵本は、異例の13万部を突破している。
こうした伝記的な絵本は、これまでは歴史上の偉人などがモチーフとなってきたが、藤井七冠や大谷選手など、今まさに現役で活躍している人の絵本を出していることについて、出版担当者は「『夢を持つことの大切さを、一人でも多くの子どもたちに伝えたい』という子どもたちへのメッセージを、今現在、体現する存在として二人の絵本を出版できたことについて、大変感謝している」と話していた。
子どもの本などを専門に扱っているクレヨンハウス東京店の鏡鉄平さんは「物価高などを受け、出版社はいかに手に取ってもらうか工夫し、題材を厳選している」と話している。
その中で、鏡さんは「今、テレビなどに出ていて、さまざまな人が興味を持つ、いわゆる“現代の偉人”と呼ばれる人の絵本が出版されることも“最近ならでは”なのかなと思う」と話していた。
(「大下容子ワイド!スクランブル」2024年11月11日放送分より)