法廷でまた新たな証言です。「遺産目当てであることは隠していない」。ではなぜ完全犯罪と検索したのか?元妻が語った理由はミステリーでした。
■“完全犯罪”なぜ検索 元妻語った理由
須藤早貴被告(弁護側被告人質問から)
「遺産目当てというのは隠していません」
次々明かされる奇妙な関係。元妻が“不可解な行動”の理由を明かしました。
須藤早貴被告(弁護側被告人質問から)
「直前にそんな動画を見ていたのが関係しています」
2018年5月。元夫の野崎幸助さん(当時77歳)に致死量の覚醒剤を摂取させ、殺害した罪に問われている須藤早貴被告(28)。
検察側
「被告は財産目当てで結婚し、莫大な遺産を得るため殺害した」
2017年12月に知り合い、その2カ月後に結婚した二人。野崎さんが死亡したのは、その3カ月後。
野崎さんの遺産は、現金など少なくとも13億2千万円に上るとみられます。須藤被告も遺産目当てだったと認めています。
須藤早貴被告
「社長本人にも遺産をもらってほしいと言われていて、遺産目当てというのは隠していません。社長が死んだらもらえると思っていました。きょうだいと自分で分けようと」
元妻が認めたものはもう一つあります。
■『老人 事件』『完全犯罪』『殺し屋』連続検索
弁護側
「どういったものをスマホで見たり検索している?」
須藤早貴被告
「昔から『殺人事件』をよく見ていましたし、グロテスクなものとか不気味な事件を調べるのが好きでした」
結婚後『老人 完全犯罪』などと検索していたことについても認め、こう主張しています。
弁護側
「2月28日『完全犯罪』と調べていますが?」
須藤早貴被告
「殺人事件、不気味な事件、未解決事件とかサイコパス事件とか、そういうのが好きで調べています」
弁護側
「3月31日『老人 事件』『完全犯罪』『殺し屋』とかを連続検索しているのは説明できる?」
須藤早貴被告
「直前にそんな動画を見ていたのが関係しています。老人ホームで3人転落死して、殺害を認めた男のインタビューを見て再生しているので、動画に影響を受けて検索しています」
もう一つ気になるのが、野崎さんから依頼され購入したという“覚醒剤”の存在です。
弁護側
「あなたが購入した覚醒剤を野崎さんの口から摂取させて殺害したという事実はありますか?」
須藤早貴被告
「一切ありません」
検察側はなぜ捜査段階で「頼まれて購入した」と証言しなかったのかについて追及します。
検察側
「なぜ捜査初期に言わなかった?」
須藤早貴被告
「そう言ったところで信じてもらえると思わないし、余計に疑われると思って」
今後の裁判のポイントはどこにあるのでしょうか?
元大阪地検検事 亀井正貴弁護士
「(弁護側は)被害者は事故死、もしくは自殺死という線で弁解してくると思う。一定程度、被告の主張がありうるなと、そういうことがあったかもしれないとなったら、検察官の立証が失敗したということ。あとは被告の弁解が通用するかというところ。まさに佳境に入ってきた」
判決は12月12日に言い渡される予定です。