配送業者にとってタワーマンションは地獄だそうで、各部屋を回るのに4時間を超えることもあるといいます。そんな地獄から抜け出せるか、最新の対策を取材しました。
【画像】「タワマン地獄」から抜け出せるか ロボット&管理人配送実験
■「コリゴリ」配達に1時間かけて500~600円
フードデリバリー配達員歴4年 ぐるぐるさん(26)
「配達員にとってタワマン(タワーマンション)は、まさに“タワマン地獄”ですね」
「一般的なマンションやアパートの配達と比べたら、もう本当に神経を使うというか時間がかかる」
ある時、男性が50階建て以上のタワーマンションに配達すると、中に入る受け付けなどにてこずってしまったため、店舗から20分で客の元へたどり着けるはずが、すでに40分以上経過していたといいます。
ぐるぐるさん
「お客さんは嫌な顔をされた感じで怒っているのかなと」
さらにマンションを出る際にも迷ってしまったため、1件の配達に1時間以上もかかってしまいました。
ぐるぐるさん
「(配達に1時間かけて得たのは)500~600円だったんですよ。もう本当にコリゴリです」
不動産会社が大手物流会社へ行ったヒアリング調査では、50階建て・1000戸ほどのタワーマンション1棟で、27件の配達に加え、5件の集荷をした時に4時間以上かかったという結果も出ています。
そのうちの半分ほどは、エレベーターの移動やその待ち時間、廊下の移動時間でした。
■ロボット&管理人配送実験
調査をした不動産会社では、配送された食べ物を配達員に代わりロボットが部屋まで運ぶ実証実験を行いました。配達員がマンションの中に入らず配送できて、作業を大幅に効率化できるのではと期待されています。
また、マンション管理会社も大手物流会社と組んで新たな取り組みを11日から開始しました。
大和ライフネクストマンション事業本部
村上昂佑さん
「宅配会社から一括で荷物を預かりまして、マンション内の配送を管理人が行うという実証実験を行っております」
マンション管理会社が行っている実証実験は、タワーマンションの中での配送を宅配業者の代わりに管理人がするというものです。
村上さん
「配送するのがマンションの中に従事している管理人になりますので、お客様にとっては日常の中であいさつを交わすような存在なので、安心して宅配の荷物を預かることができる」
配送事業者は荷物1個ごとに委託料を管理人に支払いますが、宅配利用客の追加負担はありません。委託料は、業務が増える管理人の給与に反映させる方針です。
(「グッド!モーニング」2024年11月13日放送分より)