深夜の中国で、自転車に乗った大学生が道路を埋め尽くすほど一斉に移動する現象が起きている。
【画像】大学生が自転車で大移動 4車線道路を埋め尽くす…その数10万人
■50キロを自転車で 目的は「小籠包」
1971年の中国の「三種の神器」は、腕時計とミシン、そして自転車。移動の手段として、自転車はなくてはならないものだった。
それからおよそ半世紀、再び道路に自転車があふれる事態となっていた。
8日午後11時ごろ、河南省の4車線道路を埋め尽くす自転車を漕いでいるのは、鄭州市の大学生たちだ。道路をずっとたどってみても、終わりが見えない。その数10万人。
彼らが向かっているのは、およそ50キロ先の開封市。
沿道からは、声援が飛び、水や栄養ドリンクを配る人まで登場。
大学生たちが深夜に50キロの道のりをサイクリングしている目的は「小籠包」。
というのも…今年6月、ある女子大生4人組が名物の小籠包を食べるため鄭州市から開封市まで、一晩かけて自転車で走行した。これをSNSに投稿すると大きな話題になった。
すると、同じチャレンジをする大学生が増え続け、8日には過去最大の10万人が自転車で走行する事態となったのだ。
■深夜の自転車大移動は「ストレス発散」
中には、7時間かけて車椅子で走破する人や、荷台にガールフレンドを乗せて向かう人もいる。
さらに、小籠包にたどり着く前に我慢できず道中で鍋を始める人や、リタイアすることになり母親が迎えに来て泣く泣く帰る人もいた。
この大学生の行動について、中国事情に詳しいジャーナリストの中島恵氏は、「群集心理というか、『みんなでやると楽しいな』みたいな。あとはストレス発散かなと。社会全体に不満がたまっていたり、うっぷんがたまっている。大学生なりに悩みもすごく多くて、ストレスを発散したいという気持ちもある。そういう土壌があることは確かだと思います」と述べた。
(「大下容子ワイド!スクランブル」2024年11月13日放送分より)