大統領への返り咲きに加え、アメリカ議会も抑え、権力が頂点に達しているトランプ氏は、買春疑惑のある人物や「ゴルフ仲間」を次々と重要な役職に抜擢(ばってき)する方針で波紋が広がっています。
【画像】「きょうはいい世界だ」トランプ氏、バイデン大統領をいたわる
■ギャバード氏「侵攻はロシア政府の責任ではない」
日本時間14日、トランプ氏はホワイトハウスに乗り込み「政治は厳しいもので、多くの場合、優しくない世界だが、きょうはいい世界だ」と述べ、余裕の表情を見せ、宿敵のバイデン大統領をいたわりました。
その数時間後、次々とトランプ氏に近い人を起用する人事を発表しました。
スパイを擁するCIA(アメリカ中央情報局)などの情報機関を統括する国家情報長官にはトゥルシー・ギャバード氏(43)が抜擢されました。どのような人物なのでしょうか?
元々は民主党で大統領の候補者選びにも立候補するほどでしたが、10月のトランプ氏の集会で「共和党員になった」と宣言。ウクライナへの支援には消極的です。
ギャバード氏(CNNから)
「侵攻はロシア政府の責任によるものではない」
■共和党議員「ゲーツ氏は党内でも嫌われ者」
さらに、FBIなどを管理する司法長官にはマット・ゲーツ氏(42)を指名しました。トランプ氏は自身のXに「マットは司法省の腐敗を一掃する」と投稿しました。
この人事に、13日付のニューヨーク・タイムズは「自らの指示に従順な同盟者を司法省のトップに据え、過去に自らを捜査した者たちに報復を行おうとしている」と報じました。
2021年のアメリカ議会襲撃事件で、支持者をあおったなどとして、2度弾劾訴追されたトランプ氏。その恨みを募らせているのでしょうか。
ゲーツ氏はかつて17歳の少女に金銭を支払ってわいせつな行為をした疑いで、司法省から捜査を受けたことがあります。
これを受けて、共和党のトランプ氏支持のニック・ラロータ下院議員は「誰もが50番目にすらリストアップしていない人選だ」と述べました。
「党内でも嫌われ者」という声があり、ニューヨーク・タイムズは議会の承認を得られず長官になれない可能性も指摘しています。
■トランプ氏のゴルフ仲間も起用
緊迫している中東情勢の特使には、ユダヤ系で不動産会社社長のスティーブン・ウィトコフ氏(67)が起用されました。
ウィトコフ氏は9月、トランプ氏がゴルフ場で暗殺されかけた時も一緒に回っていた「ゴルフ仲間」です。
ニューヨークやカリフォルニアに51の不動産を所有し、純資産はおよそ779億円と言われています。
(「グッド!モーニング」2024年11月15日放送分より)