台風5つ直撃 フィリピンで甚大被害 台風25号、沖縄接近へ スペインはまた豪雨
この記事の写真をみる(22枚)

 フィリピンでは、この3週間で台風が立て続けに直撃し、甚大な被害が出ている。14日も強い勢力の台風25号が直撃した。この台風は今後、沖縄や奄美地方にも接近し、大雨をもたらす可能性がある。

【画像】台風25号が台湾に接近 先月は過去30年で最大規模 道路は川のように

■「何も残ってない」台風5つ直撃

フィリピンを直撃
拡大する

 台風25号が14日、フィリピンを直撃。フィリピンが台風に見舞われるのは、ここ3週間で5回目。

 衛星画像を見ると、先月24日に台風20号、先月30日に21号、7日に22号。そのわずか数日後の11日に23号。そして14日の台風25号と、次々にフィリピンに襲来したのが分かる。

土石流
拡大する

 1つ目が先月24日に上陸した台風20号。

 山間を走る道路に響き渡る轟音(ごうおん)。音の正体は土石流。土砂を含んだ大量の水が斜面を流れ落ち、道路を寸断している。

 街は洪水で冠水し、家や車が泥水につかってしまっている。住民たちは次々とボートで避難する。

携帯さえも持ち出せず
拡大する

地元住民
「私たちには何も残っていません。家もありません。急いで逃げなければならなかったので、携帯電話さえ持ち出せませんでした」

 フィリピンでは先月28日時点で、台風20号による被災者が570万人に上り、少なくとも116人が犠牲となるなど大きな被害が出た。

 しかし、このわずか数日後、台風21号がフィリピンを襲う。

台風22号が直撃
拡大する

 さらに、今度は台風22号が上陸。最大瞬間風速70メートルの風がフィリピンに追い打ちをかける。

 すさまじい風の勢いで電柱は倒れ、大木が屋根に。

 立て続けに3つの台風に襲われたフィリピン。しかし、これで終わりではなかった。

台風23号
拡大する

 今週、4つ目となる台風23号が上陸。最大瞬間風速50メートルの風は木々をなぎ倒し、街灯までも引き倒す。

 氾濫した川は家をのみ込み、住民たちはただ見守ることしかできない。

川が氾濫
拡大する

 そして14日、この3週間で5つ目となる台風25号が直撃。

 フィリピンでは連続した台風と長引く洪水で、これまでの死者は160人以上に上り、家屋や農地に影響を受けた人は900万人以上に上っている。

■最大規模の台風が直撃した台湾へ向け北上

強風で飛ばされた女性
拡大する

 現在、台風25号は台湾へ向けて北上。

 台湾といえば、過去30年で最大規模の台風21号が直撃したばかり。最大瞬間風速65メートルを記録し、強風で女性が飛ばされ、男性たちはマンションのバルコニーが飛ばされないように消防用のホースで引っ張る。

バルコニーが飛ばされないようにする男性たち
拡大する

記者
「台風の影響で強風が続いています。こちらの鉄の囲いが風に吹かれて倒れました」

飛んできたガラス
拡大する

 建設現場には強風のなか鉄骨を押さえる2人の男性。そこに飛んできたガラスの看板が割れ、とても危険な状態だ。

渦巻く巨大な雲
拡大する

 さらに、台湾の花蓮県では竜巻のような渦を巻いた巨大な雲が発生。

道路は川のような光景
拡大する

 大雨の影響で土石流が発生し、住宅街が水浸し。道路には水が流れ出し、車が立ち往生。まるで川のような光景だ。

 台風21号の影響で3人が死亡、700人近くが負傷する事態となった。

沖縄にも近づく恐れ
拡大する

 大きな被害を受けたばかりの台湾に、今度は台風25号が北上し、16日にかけて接近する見通しだ。

 この台風は今後、大雨の被害に遭ったばかりの沖縄にも近づく恐れがあり、再び大雨への警戒が必要となっている。

■“史上最悪”大洪水発生のスペインで…また集中豪雨

集中豪雨による被害
拡大する

 そして“史上最悪”の洪水が発生したばかりのスペインで、またしても集中豪雨による被害が発生。

 南部アンダルシア州では、降り続く雨でたちまち道路が冠水。ゴミ箱が流されていく。

 海沿いの観光地マラガでは、前日までの天気が一変。当局は、付近の川が氾濫する危険性があるとして、およそ3000人に避難指示を出すなど警戒を呼びかけている。

わずか8時間で1年分の雨
拡大する

 2週間前には、記録的大雨と大洪水が東部バレンシア州を襲った。激しい濁流に、なすすべなく流されていく車。

路地を埋め尽くす車
拡大する

 わずか8時間で1年分の雨が降り、大洪水に。水が引いた後には、無数の車ががれきと共に路地を埋め尽くす光景が見られた。中には道路に突き刺さった状態の車もある。

道路に突き刺さった車
拡大する

地元住民
「どうにもならなかった」
「悲しかった。無力さ。言葉も出なかった。ただ見ているだけしかできない。つらかったよ」

豪雨の原因は強力な寒冷低気圧
拡大する

 豪雨の原因は「DANA(ダナ)」と呼ばれる強力な寒冷低気圧。地中海沿岸部では、この時期、寒気を伴った低気圧が南からの暖かい空気とぶつかり大雨をもたらすことがあるという。

 現地13日時点で確認された犠牲者は223人。いまだ17人が行方不明。

 スペインの洪水被害としては“近代史上最悪の被害”と言われている。

■「住民を見捨てた」大規模デモ 警官隊と衝突

大規模デモ
拡大する

 この洪水発生時の政府の対応に対し、バレンシア中心部の広場で9日、大規模なデモが発生。およそ13万人が集まった。

デモ参加者
「人殺し!人殺し!」

首相の辞任を求める
拡大する

 州政府の警報発令が遅すぎたことが被害を拡大させたとして、デモ隊はバレンシア州のマソン首相の辞任を求めている。 

デモ参加者
「私が唯一言いたいことは、地元当局が住民を見捨てたことへの責任を取らなければならない」
「我々は、首相らに辞めてもらい、新しい州政府に混乱の後始末をしてもらいたい」

椅子を投げつけられる警官隊
拡大する

 怒りは警官隊への攻撃に代わり、大量の椅子を投げ付ける。すると警官隊は、デモ参加者に詰め寄り警棒を振り回すなど、現場は一時騒然となった。

泥の手形
拡大する

 デモ参加者は当局の建物に泥の手形を付けるなど抗議の意志を示した。

 バレンシア州を皮切りに、1週間後には北東部カタルーニャ州、続いて南部アンダルシア州で、立て続けに洪水が発生したスペイン。

 一方、フィリピンで猛威を振るった台風25号は今後、沖縄へ近づく恐れがある。

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年11月15日放送分より)

この記事の画像一覧
外部リンク
宇宙人のミイラ? 空港で押収 “分析結果”ついに発表
この記事の写真をみる(22枚)