壁から出てきたのは…人の手です。上下左右に動かし、何かを探っています。東京・銀座のブランドショップで起きた事件の一部始終です。
【画像】壁から手が伸び…犯行の一部始終 店の壁に開けられた2カ所の穴
■高級時計盗まれる
被害に遭ったブランド品買い取り店の社長
「時計14本、取られました」
狙われた高級腕時計。その手口は大胆でした。
店の壁から出てきた刃物。次に手です。手首から先だけが動きます。手袋をつけ物色する様子が、防犯カメラにしっかり映っていました。
通報は17日午前9時すぎ。東京・銀座のブランド品買い取り店で「壁が破られている」と110番通報がありました。
被害に遭った店舗では、外側から壁に大きな穴が開けられ、ここから高級時計が盗まれたということです。
■壁から手が…その手口は?
現場検証の様子を見ると、警察官が店の脇にある扉を開けて通路に入っていきます。
犯人はここから入ったのでしょうか、外壁が壊れていました。
通路は人1人が入れるほどの広さ。犯人は、外壁を何らかの方法で突き破ったとみられます。
警視庁によりますと、そこから人の腕が届く程度の範囲で店内のショーケースや商品が荒らされた形跡があるということです。
店側には2カ所の穴がぽっかり開いていました。
この場所を捉えた防犯カメラを見ると、時計が置いてあった棚が突然崩れます。
その後、壁に穴が開いて、手が伸びてきます。肘まで腕を出し、何かをつかんでいる様子が分かります。その前後に別の場所でも穴が開けられ、物色されたということです。
最初は黒い棒状のようなもので、小さな穴が開けられます。
その後、ノコギリのようなもので、どんどん壁が切断されていくのが分かります。長い刃物を使っているようです。次に手が出てくるまで40秒ほどしかかかっていません。
被害に遭ったブランド品買い取り店の社長
「本当に信じられない気持ち。まさか、こんなふうに自分の店舗がやられるとは…」
■同様の手口は過去にも
同様の手口は、過去にも起きています。
2009年、銀座の宝飾店で、5000万円相当の貴金属が盗まれた事件でも、壁に穴が開けられていました。
荒っぽい手口で犯行を行う中国系窃盗組織「爆窃団」の可能性が高いとみられていました。
警視庁は、今回の事件と爆窃団との関連について「過去の犯行の手口から関連性もあることを視野に入れて捜査を進めています。