「言葉は生命体みたいなもの」詩人・谷川俊太郎さん(92)死去
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日本を代表する詩人・谷川俊太郎さんが、13日に老衰のため、東京都内の病院で亡くなりました。92歳でした。

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『言葉は生命体みたいなもの』。生前、そう語っていたそうです。東京生まれの谷川さん。1952年に、詩集『二十億光年の孤独』でデビューしました。どんな世代にも染み入る、谷川さんが紡ぐ言葉。学校の教科書にも『かっぱ』『朝のリレー』など、多くの作品が採用されました。そして、国民的アニメ『鉄腕アトム』の歌詞も手がけました。

谷川俊太郎さん
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谷川俊太郎さん(2016年・当時84)
「いくらアトムの魅力を書いていっても、なんか上手くはまらないところもある。しょうがないから“ラララ”でごまかしているわけよ。みんな、そこに一番乗るわけですよね」

また、翻訳家としても活動し、小学校の教科書にのった『スイミー』をはじめ、スヌーピーなどのキャラクターで知られる『ピーナッツ』の翻訳は、1967年から53年間続けました。

晩年、イベントに出演したときの映像。中学生からの質問に谷川さんならではの“言葉”で答えていました。

谷川俊太郎さん
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谷川俊太郎さん(2017年・当時85)
「(Q.すごく美しくて、かけがえのない命がなくなってしまうのがものすごく怖くて。死ぬことは怖いですか?)楽しみですね。次にどんなのになろうと思って。『生と死って反対』って、みんな思ってるでしょ。生きることの反対は死ぬことだと。そんなことないんですよ。生きることの端っこの方に死があって、つながってるんですよ、生と死は」

90歳を越えても、精力的に活動を続けていました。今年、発表した作品のタイトルは『生きてるってどういうこと?』。

谷川俊太郎さん
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谷川俊太郎さん(去年3月公開)
「年寄りって若い人と違ってね、全然発想が変わるんですよ。だから、あきらめてもいいとか、絶望してもいいとか、そういうマイナスの価値が認められるようになっている。だから言ってみれば、すごく自由になっていて、『自分が感じることに全部リアリティーがあるんだ』と思うようになっていました。あんまり、こういうふうに感じちゃいけないとか、こんなこと思っちゃいけないとかというふうにはなっていなくて『何でもありだ』という感じになっていますね、今や」

葬儀は、近親者ですでに執り行われ、後日、お別れの会を行うということです。

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詩人の谷川俊太郎さん(92)老衰で死去 「二十億光年の孤独」など
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