年末が近付くなか、いくらの高騰が止まりません。北海道産の秋サケのいくらは、前の年に比べて2倍以上に跳ね上がっています。そんななか、秋サケより3割ほど安い値段でお得に食べられる「マスイクラ」の人気が高まっています。
■秋サケ不漁…いくら価格が去年の2倍
きらきらと赤く輝く、海の宝石・いくら。しかし今、北海道産シロサケが歴史的な不漁に陥っています。
北海道のシロサケの漁獲量は9月末の時点で、去年と比べ21.8%減少。この10年で最低となっています。
サケの不漁で深刻なのが、いくらの高騰です。都内の鮮魚店では去年よりいくらの仕入れが少なくなり、売り場も半分になったといいます。
中與商店 武蔵小山店 山崎進一チーフ
「(北海道産のいくらの)本体価格は2380円プラス税になる。去年は100グラムで高くて1500円、安い時は1200円ほどで販売」
北海道産シロサケのいくらの価格が去年のおよそ2倍になっています。
70代
「高いよね、食べたいけど。(いくらが)あれば大根おろしの上に乗せたり。でもやっぱり高いかな」
■国産より800円安 お得なアメリカ産が人気
国産のいくらが高騰しているなか、今注目を集めているのがアメリカ産のいくらです。
山崎チーフ
「(北海道産のいくらを)手に取るのをためらう方が多い。逆にアメリカ産との値差が大きくなっているので、アメリカ産に関してはよく売れている」
去年加工され、冷凍で輸入されたアメリカ産。そのため価格が抑えられ、100グラムあたり1760円と、同じシロサケのいくらにもかかわらず800円も安くなっています。
山崎チーフ
「去年から国産(の値段)が2倍、3倍になるということを考えると、(アメリカ産は)1.5倍くらいに収まっているので幅は少ない」
味に違いはあるのでしょうか?
紀真耶アナウンサー
「少し(アメリカ産の方が)さらさらしています。でも味わいは(北海道産のいくらと)ほぼ同じです」
■10年でいくら丼680円から2750円に
他にも需要が増えているものが、同じサケの卵の「すじこ」です。ベニサケのすじこは塩漬けが100グラム768円。
山崎チーフ
「いくら丼を食べようと思って、お客様が高すぎて手が出ない。すじこをおにぎりにしたり、ご飯に乗せてそれで良いという話も」
都内のいくら丼専門店では。
いくら丼「波の」 川面信也店主
「近い未来は(いくらが)どんどん高騰していって、おそらく10年後、20年後はいくらが食べられなくなってしまう」
10年前、北海道産シロサケを使った上いくら丼は680円でした。徐々に値上げを余儀なくされ、今月も300円値上げして2750円になりました。
そこで人気なのがシロサケではなく、マスのいくら丼。
川面店主
「今のところマスの方がシロサケよりも安価で提供できる」
今、店で一番安いメニューの価格は2090円。マスのいくらは一回り粒が小さいのですが…。
紀アナ
「口の中でプチっと弾けるというよりはサッと出てきてくれる。クセがなく少しあっさりとしています」
シロサケのいくらが高騰しすぎている今、マスいくらの需要も高まっています。
(「グッド!モーニング」2024年11月22日放送分より)