自民、公明、国民民主の3党が合意した「103万円の壁」の見直し。その今後の焦点は、いくらまで引き上げられるかです。国民民主が現行の103万円から178万円への引き上げを主張するなか、自民の出方が注目されています。
■焦点は引き上げ幅 国民民主、強気の姿勢
21日、自民党税制調査会の幹部会合が開かれました。
自民党 宮沢洋一税調会長
「(103万円の壁を)引き上げることだけ決まっているわけでありますから、現実的な案がどういう形でできるか、しっかり協議をしていきたい」
今後の議論の焦点は引き上げ幅ですが、国民民主党は変わらず強気です。
国民民主党 浜口誠税調会長
「178万円というのは譲る気はありません」
国民民主党 中堅議員
「向こう(与党)はすぐにだましてくるから。『まんじゅうをもらって喜んでいたら、実は中身が入っていませんでした』ではどうしようもない」
■専門家「120万円が現実的か」
あくまでも選挙で掲げた「178万円への引き上げ」を主張する国民民主。実際にどれほど引き上げられるのでしょうか。
第一生命経済研究所 熊野英生首席エコノミスト
「今回、国民民主は基準を最低賃金(の上昇率)に合わせてるのですが、とてつもない高い伸び率なので『それはやりすぎじゃないか』と修正されると思うんですよ。120万円の方が適切なのではないか」
国民民主党は、103万円が設定された1995年と比べて、今の最低賃金が1.73倍になっていることから「178万円に引き上げるべきだ」と主張しています。
しかし、熊野氏は「物価の上昇率をもとに計算した120万円が現実的では」とみています。103万円から17万円引き上げた場合の減収は、およそ1兆7000億円。これなら何とか捻出できるのではないかといいます。
21日、経済対策の内容について報告を受けた石破茂総理大臣は「誠実に対応し、税制も含めて良い政策を練り上げてほしい」と述べました。
経済対策は22日に閣議決定されます。
(「グッド!モーニング」2024年11月22日放送分より)