年末年始を前に、おせち料理などに欠かせない「ホタテ」の価格高騰が止まりません。一体、何が起きているのでしょうか。価格高騰のワケを取材しました。
【画像】スーパー特設コーナーいっぱいに並ぶホタテ タイへの輸出量25.7倍
■ホタテの価格高騰 原因は?
22日、東京・新橋で行われた「ホタテ祭り」。国内水産物のおいしさを知ってもらい、消費拡大を目指すイベントです。
会場は、仕事終わりの人たちを中心に大盛況。熱々のホタテ料理に、みなさん舌鼓を打ちます。
来場者
「こんなホタテ、新鮮でね、初めて食べました。ぷりぷりしてて」
「仕事中ホタテのことしか頭になかった。昼くらいから。『ホタテ、ホタテ』って。おいしいですよ、新鮮でとっても。最高ですね」
「帆を立てた船」に似た形状から、新年に向けて“新たな船出を祝う”縁起物と言われることもあり、年末年始などにも食べる機会の多いホタテ。しかし今、ある異変が起きています。
来場者
「スーパーで(ホタテの)刺し身を買う時があるが、やっぱり高い」
ホタテの平均価格は年々、上昇傾向にありますが、今年は去年の同じ時期に比べて1700円近くも上がっています。
価格高騰の原因について、青森県でホタテ漁を営む男性は「アメリカとかEUのほうが景気が良ければ良いほど高値で買ってくれる。青森県産の冷凍貝柱は、もうほぼ県内にない状態。“ない状態”をみんなで欲しがるので値段がつり上がっていく」と話します。
■海水温上昇…養殖ホタテが育ちにくい環境に
中国への輸出依存が高かったホタテ。禁輸措置以降、国を挙げて販路の開拓を行ったところ、世界中で日本のホタテが人気に。その最たる国がタイです。
ジェトロ・日本貿易振興機構によりますと、タイへのホタテ輸出量は去年の同じ時期と比べて、およそ26倍にも伸びているというのです。
客
「(日本のホタテは)柔らかくて、すごく新鮮で、いい味です。大好き」
バンコク市内の高級スーパーでは、北海道産ホタテの特設コーナーもあります。
こうした海外でのホタテ人気により、国内で取り扱う数が減少。値上がりの原因になっているのです。
さらに、近年の海水温の上昇により、養殖のホタテが育ちにくくなっているといいます。
青森県内のホタテ漁師
「(海水が)高水温になっているのが影響されていると思う。ホタテには、あまりよくない環境」
「来年・再来年は(漁獲量が)厳しいのでは。多分、いい親が育たないと思うので(子も育たない)。ホタテのサイクルが良くならないと、持続的な養殖は無理なのではないかなと思います」
(「グッド!モーニング」2024年11月23日放送分より)