今週は中ごろから広範囲で天気が崩れる予報で、気温のアップダウンが大きくなるとみられています。体調を崩さないよう気を付けたいですが、特に今年は薬が品薄となっていて、より注意が必要です。
【画像】せき止め薬不足の背景に「構造的な問題」 原薬が円安の影響でコスト増
■せき止め薬不足が長期化
小池百合子都知事
「インフルエンザがですね。先週から全国で、今週から東京でも流行のシーズンに入ったということをお伝えいたします」
インフルエンザが流行し、対策が一層必要になるこれからの時期。SNSでは、「せき止めが手に入らない」という投稿がありました。
病院では、体調を崩した親子と医師でこんなやり取りが交わされていました。
患者
「3日くらい前から夜と朝だけせきが出る感じで。慢性的に鼻水が出ている感じです」
たむら医院 田村剛院長
「せき止めは飲み薬が今なくて、テープの薬があるんですけど」
風邪やインフルエンザなどの症状の時に処方されるせき止め薬。その不足が長引いています。
田村院長
「もう1年以上足りないんですよね。足りないなかでも、なんとか工夫してやってる」
「しっかりせきを止めてあげたいんですよね」
患者
「(せき止めがなくて)先生がやりくりしてくれてるのかなという感じ」
■医師不安「命に関わる」
どれほど不足しているのでしょうか?都内の薬局を取材しました。
かける薬局 上石神井店 阪口悟志さん
「(夏は)たん切りの薬などは少しずつ入ったりしたけれども、せき止めの薬が全然入ってこなくなってしまっていて。粉の薬も足りなくなってしまうという状況が今、発生しています」
在庫状況を見せてもらうと、薬の棚は残り1錠だったり、空っぽだったりと、不足しているのが目に見えて分かります。近くの病院には事前に薬の在庫状況を伝えるなど、連携をとっているということです。
田村院長
「薬不足が続いているというのは、まずは構造的な問題もかなり大きいと思う。薬価が低いとかね」
薬のもととなる「原薬」は海外から輸入しています。円安の影響などでコストが上がる一方、薬の値段は国が低く抑えているため、製造すればするほど負担が増え、生産を続けることが難しい状況に陥っているというのです。
田村院長
「末梢(まっしょう)性のせき止め、これがなくなったら、ぜんそくの方の命に関わるから、この薬はなんとか供給されている。製薬会社は、必要な薬は最後まで守ってくれている感じはします」
■3つの流行感染症に注意
こうした現状について、厚生労働大臣は次のように述べました。
福岡資麿厚労大臣
「(供給状況は)改善してきているものの、いまだ供給不安が完全に解消されていない。5年程度の集中改革期間を設定して、金融・財政措置等の企業間の連携・協力・再編を後押ししていきたいと考えています」
新型コロナウイルス、オミクロン株の新たな変異株「XEC」の感染が世界各地で流行を拡大させつつあります。そのため、インフルエンザやマイコプラズマと合わせて3つの感染症に注意が必要です。
(「グッド!モーニング」2024年11月25日放送分より)