日本時間の27日朝、イスラエルは閣議でイスラム教シーア派組織「ヒズボラ」との停戦案が承認されたと発表した。そんななか、G7外相会合ではネタニヤフ首相らに出された逮捕状について議論された。
■ヒズボラとの停戦承認 27日に発効
イスラエル ネタニヤフ首相
「今夜、内閣の承認を得るための停戦要綱を提出する。ヒズボラが協定に違反したり、再軍備を試みたりすれば、我々は攻撃する」
日本時間の朝、イスラエルはイスラム教シーア派組織「ヒズボラ」との停戦案について、閣議で承認され27日に発効すると発表した。
ネタニヤフ首相は詳細を明らかにしなかったが、「ヒズボラを数十年後退させた」と軍事作戦の成果を強調。そして停戦により、ハマスとの戦闘に集中できるとしている。
ヒズボラ側から、まだ発表はない。
■アメリカ、逮捕状に強く反発
一方、イタリアで25日から2日間開催されたG7=主要7カ国の外相会合。
G7外相会合議長国 イタリア タヤーニ外相
「私たちにとって対話は非常に重要です。レバノンの戦争、パレスチナの戦争、ウクライナの戦争を止めるために協力したい」
アラブ諸国やウクライナも参加し、パレスチナ自治区ガザやレバノン情勢などが議題となった。
そんななか、ひときわ注目された協議内容がイスラエルのネタニヤフ首相らに出された逮捕状への対応について。
タヤーニ外相
「ICC(国際刑事裁判所)の決定について、私たちは共通した姿勢を持つ必要があります」
21日、ICC=国際刑事裁判所は戦争犯罪と人道に対する罪の疑いで、ネタニヤフ首相とガラント前国防相の逮捕状を発行したと明らかにした。
また、ハマスの軍事部門トップ、ムハンマド・デイフ司令官にも逮捕状を出した。
ICCには今年2月時点で124カ国が加盟していて、加盟国はICCからの逮捕および引き渡しの請求に応じなければならない。
この逮捕状に強く反発しているのがG7で唯一の非加盟国でイスラエルの同盟国・アメリカだ。
アメリカ バイデン大統領
(21日ホワイトハウスHPに掲載された声明文)
「ICCがイスラエルの指導者たちに対して逮捕状を発行することは、言語道断である。ICCが何を言おうと、イスラエルとハマスは同等ではない」
ロイター通信が入手したG7外相会合の声明の最終草案では、逮捕状に対する直接的な言及はなかったという。
■G7各国の足並みはそろわず
イスラエルのネタニヤフ首相らに出されたICCによる逮捕状への対応、G7各国の足並みはそろっていない。
イギリス・フランス・イタリア・カナダの4カ国はICCの決定を尊重する立場だ。
ドイツメディアによると、ドイツは一時態度を保留していたが、ベアボック外相はG7外相会合期間中、記者に対し「法の上に立つ者はいない」と支持に含みを持たせる発言をしたということだ。
一方、ICC非加盟国のアメリカは強く反発している。
■岩屋外務大臣「ICCの独立性を尊重」
では、日本のスタンスはどうなのだろうか。現在のICC所長は日本の赤根智子氏で今年3月に日本人では初めて所長に選出された。
また、日本はICC最大の分担金拠出国でもある。去年の予算に対する拠出額はおよそ37億5000万円。ICCにとって日本の存在はかなり大きいと言えそうだ。
G7外相会合後、岩屋毅外務大臣は「国際法上の義務の完全な順守へのコミットメントを再確認した。我が国はICCの独立性を尊重している。捜査の進展を重大な関心を持って引き続き注視をしていきたい」と話し、明言は避けた。
(「大下容子ワイド!スクランブル」2024年11月27日放送分より)