首都圏で相次ぐマンション火災。いざという時、自分の身を守るにはどうしたらいいのか。「防災ガイド」に聞きました。
【画像】いざという時、どう身を守る? 避難方法を防災のプロに聞く
■窓ガラスが割れる音がした
窓を破り、激しく噴き出す炎。東京・文京区にある猪口邦子議員の自宅マンションです。
火事が起きた際、事務所で仕事中だったという猪口議員。現場には、政治学者の夫・孝さんと長女がいました。
発生からおよそ3時間。炎は一時収まったように見えましたが、消防の活動は難航し、鎮火までおよそ9時間を要しました。
近くの住民
「バルコニーの角に人が手を振って助けを求めていたんですけど、見ていられなくてその後は見ていなかった」
火事があったのは6階建てのマンションの屋上部分。ワンフロア150平米のほぼすべてが焼けました。この火事では2人の死亡が確認されていて、夫と長女である可能性があるとみられています。
27日夜は、同じころに川崎のマンションでも火災が…。火元は14階建てマンションの13階にある一室でした。
近くの住民
「私も起こされて言われた。パッと見たら、まさか知人の家だとは。つい先ほどまで真っ赤な炎が見えましたね」
火元の部屋には80代の夫婦が住んでいて、死亡が確認されました。
■マンション火災 身を守る術は?
首都圏で相次ぐマンション火災。いざという時、どう身を守る?
横浜市民防災センター 稲葉菜々子さん
「マンションは戸建て住宅と違って規模が大きい建物になるので、避難の方向や避難経路が分かっていないと、時間がかかってしまう」
適切な避難方法の啓発などを行う「防災ガイド」に聞きます。
「火事だ!」と気付いた時にまず、重要なのは…。
稲葉さん
「マンションでの避難は階下に降りることが重要。火災が発生すると、火や煙は、上に立ち上っていく。上に避難することは大変危険な避難方法。横へ下へ、横へ下へ、避難をして行くことがまず避難の鉄則です」
下へ逃げる際のポイントも。
稲葉さん
「自宅内にいる場合は、2方向避難といって、玄関から外に出て避難階段等を使って階下に避難をする方法か、あるいは、玄関等が使えない場合は、ベランダに出てベランダから横の部屋に避難したり、避難はしご等の器具を使って下に降りてもらうことが考えられる」
玄関から出られない状況になった際に重要となるのが「避難はしご」。開けた経験がある人は少ないのでは?
稲葉さん
「チャイルドロックかかった状態になっているので、ロックを手前に動かしてまずロックを外します」
「チャイルドロックを外した状態で、しっかり金具が伸びきるところまで開けきってしまってください。ここに畳まれている避難はしごが入っている」
「機種によっても違いがありますが、プッシュレバーを押します。その形にするとはしごが降下する仕組みです」
実際に、はしごを使ってみると…。
佐々木快アナウンサー
「足元を見ながらゆっくりやったほうがいいですね。真っすぐだったはしごが体重がかかると、斜めになる。足元見ながら、手にしっかりと力を入れてつかまっていないと揺れるので」
稲葉さん
「屋外の状況が天候によっても違うと思いますので、使用の際は十分注意をしていただいて」
部屋にはしごがなく、別の部屋のベランダから避難する際などに使えるのが、「蹴破り戸」です。
稲葉さん
「しっかり体を支えられるところを持ち、振り子の力を使うとよりいい」
佐々木アナ
「これで破れたということ」
稲葉さん
「そうですね」
こちらはシミュレーション用ですが、実際の蹴破り戸は、これくらいの力で破れるそうです。
稲葉さん
「後ろで蹴って、できるだけ体にかかる負担を減らして蹴破って移動してもらう」
「火災発生時の避難経路の確認と、非常階段の位置の確認等もしておいてほしい」