ガソリンの補助金について、政府は今月から段階的に縮小することを決めました。来月には1リットルあたり185円に上昇する可能性があります。
【画像】「役人が言うのは簡単だが、一番混乱するのは現場だ」ガソリン補助金縮小直前 スタンドのため息
■ガソリン価格 今月19日から180円に
政府が先月22日に閣議決定した「総合経済対策」。
利用客(60代)
「知らなかったです。ちょっとびっくりですね」
「いや、知りませんでした。ずいぶん上がりますね」
13兆9000億円の補正予算案を組み、低所得者世帯への3万円給付などを盛り込んでいますが、一方でこんな内容も記載しています。
政府の「総合経済対策」から
「燃料油価格の激変緩和事業については12月から、出口に向けて段階的に対応する」
政府はこれまで、本来であれば1リットルあたり180円台後半から200円台にあったガソリン価格を、補助金で「175円」になるように抑えてきました。
しかし今後は、今月19日から補助金を5円減らして「180円」に。来年1月16日からは、さらに5円減らすことで、店頭価格が「185円」に上昇する可能性が出ています。
利用客(60代)
「(Q.185円は高い?)高いですね」
利用客(30代)
「なるべく安いうちに入れたい」
■混乱する現場 駆け込み需要に懸念も
都内のガソリンスタンド「西綾瀬SS」には、すでに元売りから補助金引き下げの通知が届いていました。
店長
「こうやって来るわけですよ。『毎週の価格変動とは別になります』と」
そこには「合計10円の上昇となる見込み」の文字があります。
店長は、補助金の縮小と“ほぼ同時”に価格を上げる予定だと話します。
店長
「(今月)19日ぐらいからガソリン価格を上げさせてもらう。冬場で灯油もあるので、需要を考えると正直痛い」
給油に来た客にも事情を説明します。
店長
「ガソリンがね、補助金が減らされちゃうので、今月中旬からその分、上がっちゃうんですよ」
今後は“駆け込み需要”に備えて、多めに仕入れをしたいところですが、実は課題もあると言います。
店長
「(安いうちに)発注したいけど、人手不足とか働き方改革で、タンクローリーの運転手も少ない。先方から『受注OKです』という明確な答えがないので」
客には、早めに満タンにすることを勧めていますが、タンクの残量がどうなるか見えないなかで混乱が生じることを懸念しています。
店長
「お客様が集中してしまうと、一時的な売り切れとか、スタンド側もどこまで売れるか、どうなるか読めない。役人が言うのは簡単だが、一番混乱するのは現場。苦情が来るのはうちらだから本当にやばいですよ」
(「グッド!モーニング」2024年12月2日放送分より)