「103万円の壁」について、来年どこまで金額を引き上げるのか。13日午後まで行われていた自民・公明・国民の3党協議のなかで与党側が示した金額は？
【画像】国民民主が求める178万円 与党幹部は「説明できる数字を…」 どう算出？
■103万円の壁 与党側はいくら提示した？
自民・公明・国民民主の3党による税制協議が午後5時前から始まりました。
年収103万円の壁を巡って、178万円を目指して引き上げることに合意した3党ですが、与党側は段階的に引き上げる考えで、13日の協議では来年どこまで引き上げるのかなど、具体的な数字を国民民主党側に提示するとみられています。
公明党
3党合意に署名した
西田幹事長
「『目指して』というのは、まさに目指していくということですから、いきなり来年178万円になるという文脈ではなかったとは思います」
一方、国民民主党は…。
国民民主党
3党合意に署名した
榛葉幹事長
「来年178ピッタリでないかもしれませんが、極めて178に近いかたちに来年もっていくという約束ですので、西田幹事長もおそらくそういう意味で言っていると思います」
所得税の非課税枠を今の103万円から178万円まで引き上げた場合、税の負担が減り、手取りが増えると国民民主党が試算する一方、国と地方の税収が7兆円～8兆円減るとされていて、地方自治体からは住民サービスの低下につながるとの懸念が示されています。
立憲民主党 小沢雅仁議員
「試算上 （税収減）7兆円から8兆円ですよね。財源をどう考えているんですか」
石破茂総理大臣
「まだその議論には入っておりませんので、いま議員がご指摘のような金額を具体的に念頭に置いて議論が進んでおるとは承知を致しておりません」
小沢議員
「まったく先送りじゃないですか。財源の議論なくして合意をされたということでありますけれど、本当に実現できるのか。ちょっとそれは逃げじゃありませんか」
石破総理
「逃げとかですね、詐欺とか…そういうようなことをするつもりは全くございませんで、そういういい加減なことは致しません。言っておりませんで。どうすればそれを実現できるかと、これから議論をしようということであって、時限性があることもよく分かっております。いい加減なことを言って逃げるような3党合意ではございません」
小沢議員
「密室の中で議論するんじゃなくて表で議論してほしいと思いますけど、総理いかがですか」
石破総理
「全部テレビ中継付きでやるっちゅうわけにもいきませんので、そのやり方につきましては税調会長間で審議を重んじながら詰めていくことになろうかと思います」
小沢議員
「178万円の実現ができなくなる可能性もあるんですか」
石破総理
「合意に書いてある通りでございまして、あの合意をほごにするなぞということは決してございません」
■178万円、どこまで迫る？
178万円を目指して来年から引き上げるとした合意書。13日の協議でどこまで話は進むのか？
与党幹部
「きょう数字を出さないわけにはいかない。説明できる数字を…物価上昇率をもとに出しました、とかね」
国民民主党が求める178万円は、103万円の壁ができた1995年の最低賃金を現在と比較して算出されていますが、与党側は最低賃金ではなく1995年と比較した物価上昇率で算出した額などを検討。
その場合、120万円程度とみられています。
小沢議員
「税源もどうなるかわからない中で、178万円はやっていくというのは、全く理解できないですよね」
石破総理
「3党合意は決していい加減なものだと思っておりませんので、なぜこういうことが決まったかということを国民の皆様方にご理解いただける。手品もできませんし、魔法もできませんので。そのことはよく承知をしておるつもりでございます」
