2024年8月に起きた傷害事件をめぐり、大阪府警機動警ら隊の男性警部が書類送検された。事件が起きたのは男性警部の52歳の誕生日会で、部下からプレゼントが手渡された瞬間、いきなりその部下の顔を殴り、全治1カ月のケガを負わせたとされる。
警部は殴った理由について、「皆から誕生日を祝ってもらい、高揚感と照れくささから殴ってしまった」と供述しているという。しかし、元徳島県警捜査一課警部の秋山博康氏は、「照れくさいという動機で人は殴らない。たぶん被害者側の警察官が、気に障るようなふざけた形でプレゼントをしたため、一発殴った」と推測する。
秋山氏は事件の背景に、昨今の「パワハラ禁止」が影響しているのではとみている。「日頃の鬱憤(うっぷん)が爆発して殴打した流れがあると思う。52歳の警部は、若い時から厳しい指導を受けていたが、最近の若手は厳しい指導がなくなっている。指導がなかなかできない状態で、『ふざけやがって』と殴ったのではないか」。
秋山氏も警部同様に、昭和や平成を駆け抜けた警察官として、部下の取り扱いが厳しい時代になったと指摘する。「署長になっても、一巡査に厳しいことを言い、内部告発されれば処罰される」のが現状だそうだ。
聞いた話として、警察官が非番の日に事件対応をしたところ、その翌日に署長のところへ、警察官の親が「どういうことですか!」と怒鳴り込んできたケースもあるという。「今は子どもに教えるような指導になっているが、それが正解かどうか。悪を退治する警察官は、許される範囲の厳しさは必要だと思う」との見方を示した。
殴った警部はその後、勤務中に複数の部下への暴言があったことも判明。停職1カ月の処分を受けたが、12月4日に依願退職した。
(『ABEMA的ニュースショー』より)
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