「103万円の壁」を巡って国民民主党は自民党・公明党との協議を打ち切り、来年度の予算案にも反対する姿勢を見せています。そんななか、日本維新の会は高校授業料などの無償化が実現できれば、予算案に賛成する方針を明らかにしています。
■国民民主幹部「粘り強く交渉していくしか」
自民党 宮沢洋一税調会長
「与党税制協議会を今やりまして、いわゆる税制改正大綱についてすべて合意に達しまして」
20日に決定する税制改正大綱。国民民主党が求めていた年収103万円の壁の見直しを巡っては、123万円まで引き上げ将来目標として178万円を目指すことが明記されます。
国民民主党との6回目の協議で「話にならない」とわずか10分で打ち切られた与党ですが…。
自民 宮沢税調会長
「席を立たれてしまったのが、我々の立場であります。(協議を)続けたいという意思は示しているわけでありまして、国民民主党がどういうふうに受け止めてくれるかということだろうと思っております」
国民民主党 幹部
「じくじたる思いはありますが、これで終わりじゃない。我々も幹事長合意はすごく重いものだと思っているから、環境が整えばまた話をしていきたいとは思っている。リミットは本予算案が衆議院を通過する瞬間までだろう。粘り強く交渉していくしかない」
■与党 国民民主と維新をてんびんに?
一方、19日から与党は、日本維新の会が目指す教育無償化に関する実務者協議を始めました。
日本維新の会 青柳仁士政調会長
「少なくとも高校教育の無償化については、2月の中旬までに制度設計を含む結論を得たい」
自民党 柴山昌彦元文科大臣
「早期に施策の実現を目指していくという思いについても、今回、思いは共有できているのではないかなと考えております」
ここにきて、維新と急接近している与党。来年度予算成立に向け、国民民主と維新をてんびんにかけているのではとの見方もありますが…。
日本維新の会 前原誠司共同代表
「我々はてんびんにかけられるつもりは全くありません。我々は国民民主党の年収の壁の引き上げについては大賛成でありますし、それを邪魔するつもりは毛頭ない」
しかし、維新は教育無償化で与党と合意できれば、来年度予算案で賛成に回る意向を明らかにしています。
政治ジャーナリスト 田崎史郎氏
「国民民主党と同じ立ち位置に立とうとしているわけです。自民・立憲と距離を置きつつ、自分の政策を実現していくというのが立ち位置なのです」
■与党 国民民主や維新とどう向き合う?
国民民主との関係について、前原共同代表はこう述べました。
維新 前原共同代表
「『あれかこれか』の話ではない。両方とも必要であれば両方とも実現するために、国民民主党と連携をするということは、私は大事なことではないかと思っております」
前原共同代表自身が去年、国民民主を「党の結束を乱す行為を行った」として除籍処分となっていることを問われるとこう話しました。
維新 前原共同代表
「議員の過去の経緯とか、そういったことを超越してですね。本当に国民が求めていることについて協力をするということは、当たり前のことだと思っておりますので」
今後、与党は国民民主や維新とどう向き合っていくのでしょうか?
田崎氏
「これ以上政権として譲歩できないというところがあるわけです。どこで妥協できるかという問題で、国民民主・維新それぞれと交渉していくということだと思います。来年の予算案の衆院通過する見込みの2月下旬から3月上旬がヤマになるだろうと思います」
(「グッド!モーニング」2024年12月20日放送分より)