「年収の壁」を巡って自民党が野党の分断に動いているとも指摘されるなかで、野党は結束へ向けた動きを見せています。
【画像】自公は野党をてんびんに? 立憲、維新、国民は給食無償化法案を共同提出
■103万円の壁“越年延長戦”へ 野党結束は?
初めてのことに、お互い戸惑いもあるのでしょうか。
通常は、政府に提出している「来年度の税制改正」の要望を立憲民主党の大西健介税調会長があえて差し出した相手は、国民民主党の古川元久税調会長です。
立憲民主党 大西健介税調会長
「(野党に渡すのは)今回初めてですけれども、野党がまとまってモノを言えば、実現できる可能性があるなかで、一緒に足並みをそろえていけたらいいんじゃないかと」
「年収103万円の壁」を巡っては先週、自民・公明の間で控除額を「123万円」に引き上げることで合意しました。ところが…。
国民民主党 玉木雄一郎代表(役職停止中)
「普通なら終わるゲームが、終わらずに延長戦に入った。(来年)2月末、3月ぐらいまでは延長戦は続くと思っていますから」
現状は、与党が衆議院で過半数を占めていないため、予算案を採決する2月下旬から3月にかけて、野党がプレッシャーをかければ、政府案を修正して「123万円」からさらに上へ引き上げるチャンスが残っています。
ただ、ここにきて自民党は、維新と国民民主をてんびんにかけ、より都合がいい方と組もうとしているとも指摘されています。
■国民民主人気で野党連携進まず?
それに対抗する狙いでしょうか。23日、立憲民主党と日本維新の会、国民民主党の3党は学校給食を無償化するための法案を共同で提出しました。
日本維新の会 青柳仁士政調会長
「当然こちらでこういう動きをすれば、自民党・公明党のほうもしっかり考えていただけると」
野党は一致結束できるのでしょうか。しかし、そう簡単でもないようです。
政治ジャーナリスト 田崎史郎氏
「現在、野党間の連携は非常に限定的な連携にとどまっている。野党が一致して、自民党に対抗していくような構図が出来上がるだろうかというと、まだちょっと見えない状況」
このところ、新聞各社の世論調査では、国民民主党の支持率が野党第一党の立憲民主党を上回るケースが増えています。
こうした点も野党の連携を難しくしていると、田崎氏は指摘します。
田崎氏
「(国民民主党は)『国民民主が中心となって政治が動いている』と見せたい。それが党の存在感を高め、支持率を高めることになる。だから、連携も進みづらくなっているのでは」
■財源「地価税は例え」 国民民主・古川氏
一方、週末に国民民主の古川税調会長は「年収の壁」引き上げの財源として言及した「地価税」について、23日にこう釈明しました。
国民民主党 古川税調会長
「“例え”として言っただけ。我が党として地価税の凍結を解除しろと言ったつもりは全くない」
また、自民・公明・国民民主の3党が24日に予定していた政調会長らによる協議は、与党側の都合で延期となりました。
(「グッド!モーニング」2024年12月24日放送分より)
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