日本の古い軽トラックが高い値段で続々と海外に輸出されています。その背景には何があるのでしょうか。日本の軽トラを買いあさる外国人バイヤーを取材しました。
【画像】95万6000円で落札!日本の中古軽トラ人気 現地アメリカを取材
■「本当に夢の車」絶賛する外国人も
車の中でパソコンを操作する外国人男性。すると、95万6000円で落札しました。そこに映っていたのは、日本の軽トラックです。
ジャパンカーダイレクト代表社員 マツジアック・マットさん
「日本で売ったら絶対に、この金額はもらえない。外国人が競争しているから、この高い金額になっている」
日本では廃車扱いされることが多い昔の車が、50万円近い価格で次々と落札されているのです。
神奈川県内の東京湾に面したヤードで、1台、また1台と、軽トラックが運ばれてきます。
マットさん
「それはカナダ向け。この2つはアメリカ向け。値段、円安、燃費がいい、壊れにくい。本当に夢の車」
彼らは海外にいる客からの依頼で日本の中古車オークションに参加し、落札した車をここから輸出しているのです。
これまで日本独自の規格として進化してきた軽自動車ですが、今、外国人の間でこう呼ばれているといいます。
マットさん
「キートラックです。KEI(軽)ですね。この古い車を買っているのは、ほとんど外国の方」
■軽トラブームは続く? 現地アメリカ取材
現地アメリカ・ノースカロライナ州を取材すると、本当に大量の軽トラックが置かれていました。中には、こんな見覚えのある車も…。
メイベリー・ミニトラック社 トニー・チャイルズ代表
「こんなに小回りがきく!これぞ日本の軽トラックの良さだ!」
森の中の細い道でも、どんどん進んでいきます。使い方は人それぞれ。スーパーへの買い物など日常使いする人もいれば、改造して移動販売車として使うケースも…。
SNSでは、軽トラ好きによるファンコミュニティーもできていました。
軽トラを購入した夫婦
「アメリカの車はとても大きいけど、日本の軽トラックはかわいくて実用的。そういうところがクール」
人気の理由の一つが、小ささです。アメリカのピックアップトラックとの違いは一目瞭然ですが、荷台のスペースはそれほど変わらない点が重宝されています。
アメリカで人気の軽トラック。ただし、オークションで高値で取引されるものにはある共通点があります。それが「25年ルール」です。
マットさん
「このスズキ『キャリイ』は25年経っているし、一番大事な情報、何年に製造したかどうか」
アメリカでは、製造から25年未満の中古車には厳しい安全基準が求められます。そのため、規制の対象外となる25年以上経った古い車ほど、むしろ価値が高くなるのです。
マットさん
「日本人は25年経っている車は、廃車だと思う人が多い。(しかし)相場は30万から50万円。シート破れや汚れが一切なければ、100万円までいくケースもある」
今後も軽トラブームは続くのでしょうか。
マットさん
「これから、カナダやイギリスの道は狭いし、アメリカだけではなく、いろんな国も軽トラックのメリットがわかっている人が増えている。この(軽トラック)ブームは、終わりがないと思う」
(「グッド!モーニング」2024年12月24日放送分より)
この記事の画像一覧