今年も残り1週間。世間では忘年会シーズン真っ盛りだ。そんななか、忘年会への意識が変化しているという。日本の師走の今を取材した。
【画像】忘年会の件数減少… 新橋の居酒屋、移転で「閉めようと思う。残念」
■忘年会 少人数で楽しむ傾向に
今年も忘年会シーズンを迎え23日、東京・新橋のやきとん屋さんはにぎわっていた。ただ、忘年会をしていたのは少人数のグループだ。
60代
「無理な人はいいわよ~。飲みたい人だけ飲もうねという忘年会になっているところは全く昔と今の違いはありますよね」
50代
「やりたいんだけど気を遣う。企画すること自体がハラスメントかなと感じちゃうから。飲み方も難しくなってきている」
40代
「やらないよね~」
街の若者に聞いてみた。
20代
「大人数だと目上の人や下の人もいたりで気を配らないといけないというのがあるので、少人数で飲むのが楽しいかなと思います」
少人数化が進む忘年会だが、こんな調査結果も。
マーケティング・リサーチ会社のクロス・マーケティングが実施した調査によると、今年、忘年会は「やらない」「行かない」と思うと答えた人は65.9%。実に3人に2人が忘年会をしないと答えている。
30代
「(Q.今年忘年会やりましたか?)忘年会はやらなかったですね。大人数でワチャワチャするのは違うかなと」
1年の労をねぎらう恒例行事として大々的に開催されてきた忘年会。しかし、時代は変わり忘年会の開催自体が減り、さらに忘年会では欠かせない酒についてもある変化が起きている。
30代
「ソフトドリンクやノンアルでも全然大丈夫。盛り上がれるんで。カラオケやボウリングをやったりします。友達と遊びみたいな…忘年会とは違いますね」
30代
「ご飯メインでおいしいお店のチョイスならうれしい」
「(Q.お酒は?)酒は飲まなくても楽しめます」
■お酒よりも食事 変化する忘年会
このような、世の中の忘年会への意識の変化は、街の経済にも大きな影響を与えているようだ。
マーケティング・リサーチ会社のクロス・マーケティングが実施した調査によると、「どのような忘年会がいい?」と思うかという問いに対し、一番多かった回答は「久しぶりに会う知人・友人と飲みたい」だった。
そして、番組が注目したのは4番目に多かった「お酒よりも食事を楽しむ会にしたい」という回答だ。
街で取材をすると、近年はお酒を飲まない、お酒は少量という宴会が増えているそうだ。その結果、街の居酒屋では売り上げが大きく減少するなど、厳しい状況に置かれているという。
実際に番組で何度も取材させていただいたあのお店にも大きな変化が起きていた。
■予約が減少…居酒屋の倒産過去最多に
サラリーマンの街、東京・新橋駅前で20年営業を続けている「根室食堂」。
根室食堂 平山徳治店長
「お酒の割合が例年でいうと、だいたい食事が60%、飲み物が40%。最近だと食事が70%、飲み物が30%という割合になっている。商売にはならない。例年の12月よりも3割も売り上げがダウンしている。来年の実績もあまり見込めないだろう…。新橋(の店)を閉めようと思っています。ほんとに残念です」
根室食堂は、新橋は賃料が高いため渋谷に移転することを計画している。
コロナ禍でも力強く乗り越えてきた根室食堂だが、今は厳しい状況にあるようだ。
改めて、新橋の居酒屋「根室食堂」の平山店長は「忘年会の件数は確実に減っていて、今年は予約がさっぱり来ない。客層も若い人が増えていて、とりあえず生ビールという感じが減ってきている」と話してくれた。
また、帝国データバンクの調査によると、大規模な宴会から少人数でのカジュアルな飲み会への需要が変化しているほか、物価や人件費、光熱費の高騰が居酒屋の経営を圧迫しているという。
その結果、居酒屋の倒産は今年11月までで203件発生していて、コロナ禍の2020年の189件を大幅に上回り、過去最多を更新することが確実になったということだ。
(「大下容子ワイド!スクランブル」2024年12月24日放送分より)
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