ガソリンの補助金が段階的に縮小されることになり、先月のガソリンスタンドには、値上げ前に満タンにしようと多くのドライバーが駆け込みました。年末に5円上がったガソリン価格が来週からはさらに5円ほど上がり、生活に影響が広がりそうです。
【画像】神社に「これからの幸せを願う人」の列 GSには「昔の良さを懐かしむ人」の列
■レギュラー185円程度に?
東京・品川区の住宅街に掲げられた最後尾の文字。ずらっと伸びた列は、およそ400メートルです。その先で待っていたのは、今年の干支(えと)・ヘビを祭っている蛇窪神社。参拝者は、例年の5倍以上です。
東京・葛飾区からの参拝者
「調べて、ヘビ年なのと年女なので」
「お金に困らず、健康で過ごせればいいなと」
数時間並んで、お目当ての縁起物を手にした人もいました。住宅街にできていたのは、これからの幸せを願う人たちの列でした。
同じ日、別の場所へ向かってみると、できていたのは、車の列です。ここでは、昔の良さを懐かしむ人がいました。
40代
「いつも牛乳、牛乳と比較しちゃう。牛乳の1リットルより高いじゃん。昔はその半分くらいだったのに」
60代
「100円で前後していた時期があったんですけど、あそこまではないかもしれませんが、150円は切ってほしいですね。せめて」
高止まりが続くガソリン価格。ただ、これでも国の補助で抑えられています。
国は先月、補助金の縮小を実施。補助金が5円縮小されると、翌週の小売価格は前の週に比べ4.8円高い180.6円になりました。
16日には、さらに補助金が5円ほど縮小され、価格が上がる見通しです。
50代
「困ったもんです」
1年ぶりに海外から帰ってきた男性はこう話します。
60代
「(補助金の縮小は)知らなかったです。もうちょっと高くなっちゃうと思います」
ガソリン価格には通常のガソリン税に加え、1リットル25.1円が上乗せされる暫定税率も含まれています。
■“ゾンビ税制”廃止はいつ?
去年の選挙では…。
国民民主党 玉木雄一郎代表(現在役職停止中)
「ガソリンに上乗せして、物流コストを引き上げて、物価高が止まらないような原因になっている、古くさい50年前にできた暫定税率“ゾンビ税制”これもやめましょうよ、みなさん」
「手取りを増やす、負担を減らす」という国民民主党の訴えが、50年続いた税を動かす転機となりました。
与党の税制大綱
「いわゆる『ガソリンの暫定税率』は、廃止する」
与党の税制大綱に書かれた「暫定税率の廃止」。しかし、いつ廃止されるかは決まっていません。
ニッセイ基礎研究所 経済研究部
上野剛志上席エコノミスト
「1リットル185円前後の動きが当分は続いてしまうと思う。家計の負担を抑える意味で、暫定税率の議論を急ぐべき」
ただ、単なる廃止では終わらない可能性も指摘します。
上野上席エコノミスト
「与党の税制大綱には、中長期的な視点から車体課税・燃料課税を含め総合的に検討するという文言がありますので。ガソリン税の本体の部分を引き上げましょうという可能性もありますし、まるまる安くなるかは分からない状況ですね」
(「グッド!モーニング」2025年1月6日放送分より)
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