中国で「ヒトメタニューモウイルス」と呼ばれる呼吸器系の感染症が拡大しています。中国国内の病院では、廊下にまでベッドを並べるほど患者が押し掛け、混乱が広がっています。
【画像】ヒトメタニューモウイルス…医師「通常は2歳までにほぼ1回はかかる」
■WHO「想定の範囲内」
人がごった返している場所は、中国にある小児科病院です。まるで年末年始の空港のように、人で埋め尽くされています。
6日に別の病院で撮影された映像では、部屋が足りなくなったのか、廊下にもベッドが並べられ多くの患者が横になっています。
WHOは7日に次のように述べました。
WHO ハリス報道官
「関心が高まっているのは、特に中国での呼吸器系疾患を引き起こすウイルス、中でもヒトメタニューモウイルスの広まりです」
あまり耳慣れない「ヒトメタニューモウイルス」。どのようなウイルスなのでしょうか。
ハピコワクリニック五反田 岸本久美子医師
「もともと風邪症候群、いろんなウイルス感染を総称するが、その中に含まれていたウイルス」
WHOは「過度に恐れる必要はない」と強調しました。
WHO ハリス報道官
「感染者数の増加は、冬に想定される範囲内です」
ただ、思い出されるのは、新型コロナウイルスが拡大した当初も「抑え込める」といった強気な声明を出していたことです。
「ヒトメタニューモウィルス」は乳幼児や10代など比較的若い世代が感染しやすい傾向にあり、中国の小児科には年末から患者が殺到しました。
感染はインド、マレーシア、インドネシアといったアジア各国に広がっています。
■“春節流行”も…予防する方法は?
2020年のちょうど同じ時期、新型コロナウイルスが日本でも蔓延(まんえん)したのは、記憶に新しいところです。
中国では今月28日から旧暦の正月にあたる春節に入ります。過去最多となる延べ90億人が大移動する見通しです。
60代 女性
「旧正月とかもあるので、ちょっと心配です」
岸本医師
「ヒトメタニューモウイルスに限らず、どの感染症もたくさんの人が集まる環境。はやってしまうと思った方がいいかなと」
このウイルスは2001年に発見されたばかりのため、現状では特効薬やワクチンが存在しませんが、日本では珍しいウイルスではないと指摘します。
岸本医師
「通常は2歳までにほぼ1回はかかると言われ、その後も反復して風邪と同じようにかかる。そうするとだんだん自分の体の中に抗体ができるので、重症化しないで軽い症状で済むようになる」
高齢者や乳幼児で一部重症化する可能性がありますが、通常のせきや鼻水などの軽い症状で収まる場合が多いといいます。
予防する方法については次のように述べました。
岸本医師
「手洗いうがいと、症状が出ている方はマスクをおすすめ。手や指の消毒なども有効ですので、過度に恐れず、通常の感染予防対策でいいかなと」
(「グッド!モーニング」2025年1月9日放送分より)
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