「ゆうばり映画祭」破産手続き 雨漏り修理で2700万円請求 多額の借り入れ発覚
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 北海道で30年以上続く「ゆうばり映画祭」を主催してきたNPO法人が破産手続きの開始決定を受けたことが分かりました。関係者によりますと、助成金などが不正に流出した可能性があるということです。

【画像】井筒和幸監督が「気休めになればいい」とあいさつした「ゆうばり映画祭」が存亡の危機

■1990年誕生 北海道を代表する国際的な映画祭

映画監督 山根高文さん
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 29日に話を聞いたのは去年、映画祭に作品を出品した監督です。

映画監督 山根高文さん
「当時理事をやっていた方から、ぜひこの作品を上映したいと、ぜひぜひお願いしますという話だった。それを受けてからしばらく経っても何のリアクションもなくて、1カ月くらい経ってから理事に連絡したら『辞めました』と」

映画祭側から上映を打診
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 今年の劇場公開に先駆け、映画祭側から上映を打診されましたが、声を掛けた理事が突然の辞任。その理由を聞くと…。

山根さん
「『金銭的な問題が起きてます』と。今権利を持っている方々が、良くない感じのことをやってくれるものだから、『だから私は理事を辞めました』と言われた」

国際的な映画祭
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 1990年に誕生し、去年34回目を迎えた「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」。当初は夕張市が運営していましたが、財政破綻後の2008年からは、NPO法人「ゆうばりファンタ」が引き継ぎ、市から助成金をもらいながら運営。北海道を代表する国際的な映画祭として、夕張市民や映画ファンに親しまれてきました。

映画監督 井筒和幸さん
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映画監督 井筒和幸さん(去年)
「映画というのは、面白いか面白くないのかくらいを見ているだけ。気休めになればいい。ただ今より開会を宣言いたします」

■雨漏り修理2700万円請求 多額の借り入れ発覚

賞金300万円の未払い発覚
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 しかし去年、映画祭の賞金300万円の未払いが発覚。市からは後援を断られ、助成金をもらうことができなくなりました。

 関係者によると、問題発覚後にNPO法人の運営状況を確認すると、他にも多額の借り入れが発覚しました。

加藤博太郎弁護士
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 さらに、弁護士は「会計担当者が資金を流失させた可能性がある」と話します。

加藤博太郎弁護士
「(会計担当者が)お持ちの法人がありまして、お金(助成金)が流れてしまっている。あるいは何か多額の工事費の請求があって、かなりそういったものを水増しされているのではないかという疑いも」

屋根修理の見積もり
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 去年5月、会計担当者が提案してきた屋根の修理の見積もりを見ると、事務所の雨漏りを直すための修理費のはずが、2700万円もかかることになっています。

 あまりに高額だったため、工事を断りましたが、業者は勝手に修理を行い、修理代から保険料を引いた400万円を請求してきたといいます。

負債総額は約9700万円
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 札幌地裁に破産手続きを申し立てた書面には、「業者と組んで保険会社から保険料をだまし取ることを企てていた可能性が高い」と記載されています。

 代理人弁護士によると、ゆうばりファンタの負債総額はおよそ9700万円に上ります。

(「グッド!モーニング」2025年1月30日放送分より)

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